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クレイマー、クレイマーのこまちのレビュー・感想・評価

クレイマー、クレイマー(1979年製作の映画)
4.1
仕事に必死だった父親、家事につきっきりで虚しかった母親。子供にとっては、2人とも大事な父と母。
どちらが悪いとも良いとも言えない、夫婦や親子の在り方を突きつけられる。やっぱりちゃんと話し合うことが大事…

二人になってしまい、子供の送り迎えや家事まで仕事と両立しながら奮闘する父親。母親が去ってしまったことをきっかけに、子供と向き合う時間が増えたことは事実。

一方、子供を置いて、何も言わずに出ていってしまった母親。とはいえ、劇中では少しだけだったが、仕事でいっぱいの父親は母親の話に聞く耳を持たない様子。恐らく家事も子育ても一人でやってきてきっと母親は母親で辛い思いをしていたと思う。

映画では取り残されてしまった父子側に焦点があてられているが、確かに子供を置いていく母親も酷いけど、もし母親がずっと我慢し続けていたら結局父親は仕事ばかりで、子供とここまで絆を深められることはなかったんだろうなとか思ってしまう。
とはいえこの母親の場合、出ていった先でちゃっかり新しい恋人までつくって、挙げ句の果て息子を引き取ろうとしていて、その身勝手さは腹立たしい。

フレンチトーストのシーンで変化や成長を物語ってるところがグッときた。
当たり前のことなのに、とても複雑で奇妙な夫婦というものの内実が描かれていて考えさせられた。
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