イチロヲ

病院坂の首縊りの家のイチロヲのレビュー・感想・評価

病院坂の首縊りの家(1979年製作の映画)
4.0
民家で発生した殺人事件を捜索する私立探偵が、終戦直後に発生した首吊り事件との関連性を探っていく。「横溝正史×市川崑×石坂浩二」のシリーズに一区切りを付けている、ミステリー映画。筆者は原作を読了済みだが、うろ覚えでしかない。

家長の欲望のために相関図がグチャグチャになってしまった一族の物語。疑心暗鬼と自己欺瞞が蠢く、居心地の悪さが醍醐味となっており、ある人の保身のために金田一と警部がホニャララする展開は、原作よりも叙情的に描かれている。

家系図は原作よりもだいぶ簡略化されているが、それでもまだややこしい。オリジナルの登場人物が、人物相関図を自作するシーンを挿入させることにより、どうにかこうにかシナリオの進捗度を明示している。

桜田淳子のハイカラな着物姿が見目麗しく、巡査(大滝秀治)の「ヴイエエエー!」というリアクションに大笑いさせられる。金田一の先生役で、横溝正史自身が登場するところも注目すべし。
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