このレビューはネタバレを含みます
「もどかしい」「歯痒い」「やりきれない」「切ない」。。。浮かんでくる感情は、全部コーヒーの苦味みたいにいつまでもあとに残る感じだ。
主人公は、'前科持ち'っていうレッテルを貼られた状態が、世間の人様の判断材料になってしまっているだけで、本質的なところは他人に対する想いやりをちゃんともっていて、人たらしなんだ。ちゃんと人間なんだ。それが今回の事件になってしまったのは、想いやりや優しさが悪い方に作用してしまっただけの話であって。だって、本当の悪人だったとしたら、前科でお兄ちゃんの交通事故をわざわざ庇ったりなんかしない。本当はいい人すぎる程にいい人なんだ。
過ぎ去ってしまう当たり前の優しさに気づくことが、本当は1番難しいことだったりするのかもしれない。