しるこ

オアシスのしるこのネタバレレビュー・内容・結末

オアシス(2002年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

「息も出来ない」で衝撃をうけて、選んだ韓国映画第二弾。
何の予備知識も無いまま観た本作に私はまたもや打ちのめされた。

始めはコンジュを直視するのに、ドギマギしている自分がいた。それがだんだん、怒っているのか笑っているのか彼女の表情が分かるようになってくる。恋をする一人の若い女性であり、それがどれほど残酷な事なのか思い知らされる。
彼女が屋上から見上げた空のシーンは「ルーム」を思い出した。成長する男の子と違い彼女には一生涯続く現実だ。

光の反射が蝶になって羽ばたき出す。彼が呪文を唱えると恐ろしい木々の影が消えていく。
この映画的な表現にはぐうの音も出ない。

いったいどうやって終わるのか?と思っていたら、美しいラストシーンだった。オーブのようにキラキラと光が舞う部屋の中。もう部屋は監獄ではない。彼女は彼を待つという人生の目的がある。

理論的とか有能だったりって、いったい何だろう。街の片隅で彼等が生きていくのはきっと大変な事だろう。でもきっとオアシスはあるって信じたいな。
しるこ

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