アレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥの第1作目ながら、時間ずらしや複数の物語が組み合わさっていくとこなど非常に秀逸だ。
特にメキシコの乾いた大地をそのまま感じ取れるような画作りで、冒頭のカーチェイスから一気に引きこまれる。
そこから逆戻りして、闘犬に賭ける男や、車いす生活に陥るモデル。そして殺し屋の仕事と別れた娘。
非常に魅力的なプロセスだが、どの話もハッピーエンドにならないまとめ方が余韻を感じさせる。
殺し屋が歩くのはぬかるんだ大地だが、その先の太陽には苦境を乗り越え未来が見える。届かない愛情がとても辛い。