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百万円と苦虫女のmoetukitabattaのネタバレレビュー・内容・結末

百万円と苦虫女(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

よかった。
共感できる映画だった。

鈴子は、「自分を変えたい」とか、「夢を見つけたい」とかの前向きな気持ちで旅をしている訳ではない。
ここではないどこかへ移動して、少しでも生きやすくなる可能性を試しているようにみえた。
その姿は逃げにも見える。

ただ僕は、無理をして居心地の悪い場所に留まり心をすり減らすより、環境を変えていく事で自分を守るという、ある意味自分自身に責任をもった生き方だと感じた。

その場に踏み止まり、困難に立ち向かい、成長していくというやり方が良しとされがちだが、それで壊れてしまうリスクだってあるはず。
それに環境を変えても鈴子のように人は成長していける。

そう考えると弟は対照的だと感じた。
環境を変える選択肢もありながら、あえてその場に留まり、立ち向かっていった。

この映画の中では逃げる事と踏み止まること、そのどちらも否定される事なく、人それぞれの生き方が肯定されている印象だった。
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