ちゅにちゃん

大日本帝国のちゅにちゃんのレビュー・感想・評価

大日本帝国(1982年製作の映画)
3.6
対米開戦に消極的だった近衛内閣の退陣に伴い東條内閣が誕生。周囲の反対を押し切って対米開戦に踏み切るも、圧倒的な戦力の差により敗戦を迎える迄を描く。今は亡き丹波哲郎や夏目雅子らの熱演が光る。日本軍がアジアの解放を掲げて進出するも、軍の保身で現地人を殺害。邦人保護すら行わない日本軍の非道さと残忍さがよく描かれている。軍の蛮行に直面し、上官の命令に抵抗できずに揺れ動く心ある兵士の心情がむなしい。指導者の政治的思惑と判断ミスが国家破綻へと結びつく怖さ。コロナ下でリーダーの判断ミスで感染者が急増。入院も出来ずに在宅で放置される感染者は、かつての日本軍に切り捨てられた人々と重なって見える。76回目の終戦記念日を迎え改めてリーダーの適格性を考えたい。