ふたりの女が偶然で出会い、その偶然に飛び込んで愛し合う。そんな物語にめちゃくちゃに震えたから、劇場で観た今日のことを絶対に忘れない。(映画を観る理由なんてこれだけでいいのではないか、と思える多幸感と誰にも汚されたくない悲しさ)
恋は嫉妬混じりの性欲と、誰か偉い人が言ったか？ぱっと最初聞いた時は、なんだかな、と思ったが、それこそベーコンの絵画のように、醜くなれる限りの姿を共有した者どうしこそ素晴らしいある地平を共有していて、剥き出しのぶつかり合いだからこそ、美しいと思う。
心を支える骨と肉が、溶け合うことはできない空洞が官能を試みること。感情に松葉杖をついてでも、へし折ってでも探し出したい愛。
愛の嵐！物語の中でなら、全て許される。夢を見ることができる。絵本というメルヘンな世界と涙と情念でできた女たちの肉体の対比(いや、同居しているか、)に泣けた。

恋愛なんて馬鹿馬鹿しいものはしなくたっていいはずだが、なれる限り丸裸になる、そんな経験は素敵だよなって思いました。
一切男がいないのも好き。

本当に本当に素晴らしかった！！！　
出演者全員女性のピンク映画、他にあるだろうか？　　　　　　

初めて会った人でも、女性同士ならこのように語り合うのだろう、花の前でこのように微笑み合うのだろう、何も言わずにただそばにいるのだろう　　　　　　
あり得なさのギリギリの地点でのリアリティ、「尊い」ではとても消費できない尊さ。　　　

今こそピンク映画は見られるべきだ、その可能性の中心！！

五代暁子のロマンチックなシナリオは素敵だし、主演2人と吉行由実や橋本杏子など女優さんたちはすごく良いんだけど、演出が合ってない…。林由美香が絵本の原稿持ち込む出版社の女性編集者がくわえ煙草で感じ悪かったのがちょっと面白かった。福音館の人とか実際あんなかんじじゃないだろう、たぶん。