Moekaさんの映画レビュー・感想・評価

Moeka

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study cinema arts in USA 物書き
http://roserosemoeka-film.hatenablog.com/

映画(1259)
ドラマ(14)

リリス(1964年製作の映画)

4.2

精神病院に働きにきた元軍人の男が蠱惑的な患者リリスに心惹かれていく。リリスはアダムの最初の妻、夜の魔女など神話に多く登場しフェミニズムの象徴でもある。冒頭は男性患者や職員が女性を挟み威圧的、抑圧的にみ>>続きを読む

ヴィゴ カメラの前の情事(1998年製作の映画)

3.3

フランスの映画監督の話なのに全編英語は残念である、、、アナーキーの息子として生まれ病に蝕まれながらも映画製作に魂を燃やした伝説の監督ヴィゴの生涯を妻との関係を軸に描く。彼の映画は幻想的かつヌーヴェルバ>>続きを読む

吸血鬼ノスフェラトゥ(1922年製作の映画)

3.9

ムルナウ監督によるドイツ表現主義最高傑作の一つ。階段からのっそりと現れる吸血鬼、窓から見える棺桶の行列、徘徊する夢遊病の乙女...カットの一つ一つが美しく印象的。カリガリ博士と比べリアリスティックなセ>>続きを読む

月世界旅行(1902年製作の映画)

3.8

ダンボールで作ったセットやシェービングクリームでできた雲、生き物に化した人々、また同時期に作られたアメリカの列車泥棒ではピストルを本来の使い方()で描いているのに対しこちらはロケットが銃弾の弾のようで>>続きを読む

生きているトランプ(1904年製作の映画)

3.5

100年以上前に観た当時の人々はさぞかし驚いたことだろう。トランプから出てくる美女や紳士、サイレントでも視覚的に分かりやすいしお茶目で可愛らしく、おちがある。メリエスの浮世から離れた、人々に夢を与える>>続きを読む

七年目の浮気(1955年製作の映画)

3.8

原題は7年目のムズムズ。九割おっさんの独り言と妄想で進む展開に大草原。名前もなくキュートでセクシー、教養がない天然ちゃんのヒロイン像に時代を感じるがマリリンが演じることによって普遍に魅力的なキャラクタ>>続きを読む

チェンジリング(2008年製作の映画)

3.5

想像したくもない恐ろしい胸糞な状況。チェンジリングは自分の子供を醜い子供に取り替えられてしまうヨーロッパの伝承のこと。登場人物それぞれが時に光がたっぷり、時に陰影を強くとライティングの効果が発揮されて>>続きを読む

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)

3.7

思えば私も随分と想像力豊かな子供で、頭の中には喋る動物の友達がいて、人形をいつも持って話しかけていた(笑)ものを書けば宇宙を舞台にできたし、でもそんなものも本当に忘れてしまった。大体の人間は皆そうだと>>続きを読む

これがロシヤだ/カメラを持った男(1929年製作の映画)

3.9

授業にて鑑賞。ソ連時代の街を切り取った実験的サイレント映画でありプロパガンダ映画。力強いモンタージュや音楽の使い方、都市が意思を持って動いているように見える魅せ方が新鮮だ。マザー・ロシアを意味する美し>>続きを読む

深夜の告白(1944年製作の映画)

3.7

最初に結末を明かす手口、保険金詐欺フィルム・ノワールの元祖といったところだろうか。カメラワークに口説き文句に全体が硬派でとことん洒落ている。白黒映画の細部にこだわられた無駄のない脚本やショットを見てい>>続きを読む

コスモス(2015年製作の映画)

3.6

大変難解だが根底に流れるのはひどく純粋なものじゃないかと観るたびに思わされる監督がホドロフスキーとズラウスキーだ。カオスとカオスが混じり合って生まれる小宇宙。くちびるの切れ目から人の中に、内部が外界へ>>続きを読む

イヴの総て(1950年製作の映画)

4.0

ララランドをふと思い出してしまった。芸術に舞台に貢献したいというよりはただ華々しい女優になりたいという野望。彼らの欲望はこれからも数々の虚像を生んでいく、あのラストシーンにぞくりとしてしまった。年をと>>続きを読む

雨月物語(1953年製作の映画)

3.8

上田秋成の読本を脚色した怪奇映画。出世と金に目がくらむ男、娼婦に成り下がることを得なくなってしまう妻、魔性の女に魅入られた先に待つものとは。何百年も前に書かれた物語が現在もああこういうことはあるだろう>>続きを読む

ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ(2001年製作の映画)

4.0

プラトンの愛の起源を歌詞と物語に取り入れ、同性愛者である監督が主人公を演じ、自分の片割れを探すためにアメリカ中を旅する。もともと人はもう1人とくっついていて、愛は元の形に戻りたいという気持ち、溶け合い>>続きを読む

さざなみ(2015年製作の映画)

3.6

さざなみというタイトルが美しい。男性は過去の恋を引き出しに、女性は上書き保存というが男性は氷漬けとかにして上書き保存しているんじゃなかろうか。これまでの結婚生活でお互いを見ていなかったことに気づいてし>>続きを読む

いますぐ抱きしめたい(1988年製作の映画)

3.2

香港のネオンきらめく雑多な街の美しさは変わらず、カーウァイ監督ならではの幾重にも重なり合ったキャラクター達の群像劇は無くチープな印象だが音楽の使い方はベタだなあといいつついいなあとも思う映画。マギーチ>>続きを読む

ソフィーの選択(1982年製作の映画)

3.8

ポーランド語訛りの英語とドイツ語を話すメリル・ストリープの恐るべきと言える才能、心身共に削がれるであろう役に挑んだ勇気に平伏する。自分の命を捨てるより遥かにえげつない選択を迫られたホロコーストを生き延>>続きを読む

The Little Stranger(原題)(2018年製作の映画)

3.7

霧深い英国の人里離れたところにたつ古びた洋館、パーティに来る人々のスモーキングスーツ、など個人的な好みが詰まっていたのでなかなかお気に入り。原題の意味とストーリーを追っていくと不気味な出来事の正体は何>>続きを読む

母なる証明(2009年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

序盤で薬を用を足している息子に飲ませているシーンがある。悲劇をこの描写でよく表している。きゅっと指を縮こませる描写、口紅を塗る、男と2人になる、そして”寝る”という頻発されるワード。母が女であることを>>続きを読む

ダウト 〜あるカトリック学校で〜(2008年製作の映画)

3.6

疑惑で絆が硬くなるという説法を説くホフマンが序盤から胡散臭く、瞳の動きや間で私たちに疑いを持たせる演技が圧巻すぎる。メリルとホフマンの演技対決を固唾をのんで見守る。正義だと信じ切って盲信するものは時に>>続きを読む

ウインド・リバー(2017年製作の映画)

3.8

家に押し入るシーンは羊達の沈黙を彷彿とさせる洒落たスタイリッシュなシークエンスだった。広大な美しい自然が舞台なのに密室劇を見ているかのような閉塞感。劇のような台詞の応酬。これは現実に起こっている悲劇だ>>続きを読む

砂の惑星(1984年製作の映画)

3.4

元々は10時間を超える作品にしたかったのに2時間半ぐらいに収めざるをえなかったから脳内ダダ漏れの登場人物たちに突然始まるダイジェストに終始草生えっぱなし!金がかかった豪華なセットデザインや衣装は見てい>>続きを読む

ビリティス(1977年製作の映画)

3.5

少女を偏愛する写真家ハミルトンによる長編映画デビュー作。ベールで包まれたようなソフトフォーカスの画面にベロアのワンピースやレースのドレスにガウンと細い矮躯を引き立たせる衣装全てが美しい。物語は少女が大>>続きを読む

汚れた顔の天使(1938年製作の映画)

3.8

この時代の映画、白黒映画は彼らの構図やらカットやらライティングやらで心情、立ち位置が分かるから見ているだけで面白い。キャグニーの強面と童顔が同居する顔立ちは悪童のまま大人になってしまったロッキー役にと>>続きを読む

ハイ・ライズ(2015年製作の映画)

3.6

思ってたよりすごい面白いというのが雑な感想、マザーと同じくなぜかそこにいる人々、屋敷(高層ビル)が彼らの世界という設定が高層ビルがたくさん立ち始めた当時に書かれた物語というのがまた良い。上流階級と下流>>続きを読む

愛を乞うひと(1998年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

母親と娘というのは親子といえど女同士だ。小さい頃から友達同士のような仲のいい母娘が羨ましい。1人の女性だということは知っているし親が大切だというのは分かるがそれは一般論としての認識で、個人的に絶対そう>>続きを読む

回転(1961年製作の映画)

3.7

プロットも面白いのだが白黒映画ならではの美しさと登場人物たちが身を包む衣装がゴシックで世界観が大好き。無垢と悪魔の表裏性や抑え付けられた欲求の捌け口が徐々に爆発していく過程がなにより恐怖。2人を救おう>>続きを読む

スキャナーズ(1981年製作の映画)

3.7

このレビューはネタバレを含みます

パッと聴くとヒーローものぽいのだがクローネンバーグ監督作品の一貫したテーマであるように内部の闘争と外見の変化、他者との融合が描かれているので野暮ったい派手さがない、が脳みそ大爆発や血管浮き出る顔芸祭り>>続きを読む

ファニーゲーム(1997年製作の映画)

3.6

暴力は娯楽と金儲けの材料ではない。ただ不快で理不尽な恐ろしいものだ。リメイク版にラッキーという名前が出てくることもあり想起させるのは不条理演劇のゴドーを待ちながら。神が来るのを待っている、もしくは諦め>>続きを読む

マレーナ(2000年製作の映画)

3.6

男達の猥談や女達の嫉妬にも耳を貸さずじっと黙っているマレーナ。マグダラのマリアと聖母マリアを思わせる物語だ、そして十字架降架を連想させるショットからして全てを知っている少年は神であるのかもしれない。コ>>続きを読む

白いリボン(2009年製作の映画)

3.8

白いリボンはやがて赤い腕章へ変わる。一つ一つを見れば理解できそうなものが全体をみるとぼんやり抽象的に見える映画だ。加害者と被害者がいて傍観者がいる、傍観者も加害者と言わんばかりにハネケは映画を叩きつけ>>続きを読む

スターダスト・メモリー(1980年製作の映画)

4.0

バスに乗ると乗客は皆屍のようで、終着駅は屑の山だった。大衆向け以外の映画を作りたいと思ってもなかなかそうはうまくいかず、周りはあの時のあの作品がと彼自身にも夢を見ている。彼もまた過去の恋に夢を抱き、現>>続きを読む

15時17分、パリ行き(2018年製作の映画)

3.4

作り物ではなくリアルを追求し無駄なものを省いたこの作品は映画の新地と言っていいかもしれないが、作りの前にこの映画を終始しめるマッチョイズム?というか、国の為に戦い国を守り、そしてその行いが乗客達を救う>>続きを読む

隠された記憶(2005年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

誰かと語りたくなるすごい作品だと思うんだけどアハ体験並みにどこ変わってるかわかんないくらいのながーーーい静かな映像がほとんどなので寝落ち必至()サスペンスの皮を被ってこれが描くのは無意識に生活や心に潜>>続きを読む

さらば、愛の言葉よ(2014年製作の映画)

3.6

粗筋すら読み取る事が難解な物語。思想を含んだ言葉を散々並べておきながら論理的思考に縛られたお前らの現実を一度手放せと語るゴダール皮肉屋がすぎる(褒めてる)独特の色彩が流れる映像は大部分を自然が占め、そ>>続きを読む

白い恐怖(1945年製作の映画)

3.7

現代はうっとりする、恍惚とする、の意。ラブストーリー的要素が多く少し物足りない印象を中盤まで受けていたものの最後の最後で手に汗握る展開が待ち受けていて面白かった。彼がなぜ白地の線を怖がるか、なかなか事>>続きを読む

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