りっく

草の上の昼食のりっくのレビュー・感想・評価

草の上の昼食(1959年製作の映画)
4.0
草の上の昼食という牧歌的で朗らかなタイトルとは裏腹に、この時代に試験管ベイビーというような先進的な題材を扱っており、そのうえで決して倫理的な領域に踏み込み是非を問うのではなく、人間を恋をする仕方なのない可愛げのある生き物だと描いてみせるのがいい。

幸福とは自然の秩序に従うことであり、自分の本心や本能に従うことだ。それが周囲から見れば恥ずかしく訝しげに見られようとも、それでも幸せだと思うことに真っ直ぐに進んでいく潔さ。二人乗りのバイクでひたすら前に進む多幸感たっぷりのシーンはまさに名場面だ。
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