太田康裕

バベットの晩餐会の太田康裕のレビュー・感想・評価

バベットの晩餐会(1987年製作の映画)
4.0
午前十時の映画祭で。

物語はかなりザクザクと進むのだが、あまり多くない登場人物と時間経過の見せ方の上手さで観客が置いてけぼりを食らわずに済む。
雰囲気の悪くなった村をバベットの料理が仲介するそのストーリーはあまりに出来すぎなのだけど、丁寧に真摯に作り手が本作について向き合っていることが見えるので気にならない。
叶わない恋が、けれどある結末に結び付く展開も見るものに小さな希望をもたらしてくれる。

小さく静かで地味な映画だけど、大作映画にも劣らない満足感を胸に帰途についた。