千利休

シークレット・サンシャインの千利休のレビュー・感想・評価

4.0
ヒロインの度重なるトラウマ体験をストーリーの主としながらも、その凄惨さに頼るのではなくイ・チャンドン監督特有の空虚さを忘れていないのが韓国映画界で彼が白眉たる所以だろう。ニーチェ的思想とは別の視点から宗教の脆弱さを暴いているのだが、それを行うのが"弱さ"の象徴であるヒロインなのが絶妙だ(そして最後までその弱さは善にはならない)。閉鎖コミュニティやシングルマザーの問題を描いてもいるのだろうが、それよりもチョン・ドヨンの演技がこの作品を全て物語っていた。
千利休

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