こなつ

パリのランデブーのこなつのレビュー・感想・評価

パリのランデブー(1994年製作の映画)
3.8
1995年、エリック・ロメール監督作品。若い男女の恋愛をテーマにそれぞれ3つの物語を描いたオニムバス映画。ロメールは男女の恋愛模様を軽快なタッチで描く達人だ。生活感溢れるパリの街並みも堪能出来る。

第1話「7月のランデブー」
恋人が浮気していると知って困惑する女子大生。市場で買い物中に男からナンパされる。7時に会う約束をしたカフェは恋人が浮気しているところを見られた場所。市場でお財布をスられ、てっきりそのナンパ男の仕業だと思ったが、落ちていた財布をわざわざ届けてくれた女性がいた。二股をかける身勝手な男の話。

第2話「パリのベンチ」
パリ郊外に住む大学講師は、同棲相手がいる女性と交際していた。デートのたびにパリの公園を歩き渡る。9月~11月のパリの公園が美しい。女性が二股をかけ主導権を握られて、最後まで情けない男の話。

第3話「母と子 1907」
ピカソ美術館の近くに住む画家は、スウェーデンから来た女性を紹介され、彼女を美術館へ案内する。画家はそこで見掛けた1人の女性が気にかかり後をつける。

異性に対するトキメキや欲望をストレートにぶつけるフランス人の真剣さに欠けるちょっと浮ついた恋愛模様。男女の心理描写や駆け引き、人間観察がなかなか面白い。ストーリーにこだわらず、映像の主体性を重視したヌーヴェルヴァーグの映画作法が、パリの若者達の日常を生き生きと瑞々しく描いている。
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