市場でナンパ。墓場でデート。美術館でストーカー。
人は街を動きながら、愛をあたため、時に失恋する。男は興味ある人の前でついつい蘊蓄をたれてしまうし、伝えなくていいことも伝えたりする。
「7時のランデブー」
財布送り届けてくれた彼女にちょっと見栄を張って彼から誘われたと言ってしまったように、彼女もまた彼から電話をかけてくれたって見栄を張ったのかもしれないよね、とか思いながら。
まあこの3作では唯一バッドエンドではない解釈ができそう。
「パリのベンチ」
まあ、この焦らされ加減は100パー直前で全部だめになるやつですね、と思ってたら案の定って感じだけど、本当色んな場所をダンスするみたいにいちゃいちゃしながら歩き回るから軽快で楽しい。
「母と子 1907年」
美人だけど、ちょっと性格があわないなと思ってたら、それを遥かに上回るほど好みの女性が現れて、それで下手な言い訳をしながら勝手に彼女を置いてくる画家。
美術館で自分の知識をべらべらと喋って気を引こうとしたり、蘊蓄大好き人間としては結構耳の痛いお話だった。
ラストはまあ、みんな暇な訳じゃないしなあと思いつつ、そう思うと、1話のあの気弱なナンパ男にもいい感じの出会いがまた起きてほしいなと思った。