Tygaさんの映画レビュー・感想・評価

Tyga

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うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー(1984年製作の映画)

4.0

「責任とってね」

訪れる静寂。
気怠げな海から始まるオープニング。落ち葉に覆われた水たまり、街角を横切るチンドン屋。

緊張と緩和、日常と非日常(もっとも日常は文化祭の前日という非日常だったりするの
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サマーフィーリング(2016年製作の映画)

3.9

いつもと変わらない日常と悲劇の間には明確なドラマは無く、哀しみはゆったりと日常を覆い尽くす。
だから、明確な立ち直りもなく、ただ少しずつの変化で彼は新しい生活に踏み出す。

言語化はできないけど妹の泣
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コロンバス(2017年製作の映画)

3.8

ビッタビタにキメキメではないがその上で魅力的なカメラ。
建築物への愛と奥行きへのこだわりがめちゃくちゃ感じられる。

親と向き合う時間も必要だけど、親と離れる時間も必要。いなくなった後だから向き合える
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ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド(2019年製作の映画)

3.8

シャロン・テート事件を割としっかり調べてから見た。

ヒッピー文化やハリウッドの暗い歴史をエンタメに昇華して、ブラピが最後に無双しちゃう。
ファンタジーの世界、ifの世界の映画界はアメリカのカルチャー
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ハウス・ジャック・ビルト(2018年製作の映画)

3.5

映画の構造とか組み立てとか知るか、倫理観がとか色々言われてもお前らの言ってくる愛とかとは違うところ向いてるんでっていう話だと思う。

最初の不安な感じの彼が好きで、後半(特に4章あたり)からあんまり魅
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ピクニック(1936年製作の映画)

4.0

未完と出るけど、途中が抜けてるだけで物語としては成立している気がする。
都合よく解釈すると嵐の中のときめきは二人だけの秘密。

やっぱジャケットになってるブランコのシーンが白眉だけれど、モノクロの画面
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プールサイド・デイズ(2013年製作の映画)

3.5

根本的な問題は「お前は3点だ」という嫌なやつの車に乗っていることじゃなくて、そこにしか居場所がないと勘違いすること。

自分の嫌なやつや自分が評価されない場所だっていくつもあるが、周りを見渡せばきっと
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ブレッドウィナー/生きのびるために(2017年製作の映画)

4.0

ターリバンの侵攻を受けて。

The Breadwinner、一家の大黒柱。
脚の悪い父親が刑務所?収容所?に連れて行かれ、男の子のふりをして働くしかなくなった少女パヴァーナと、彼女が語る不思議なおと
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山椒大夫(1954年製作の映画)

4.1

「人は慈悲の心を失っては人ではないぞ、己を責めても人には情けをかけよ。人は等しくこの世に生まれてきたのだ、幸せに隔てがあって良いはずがない」

時代、世代を軽く超える名作やわー、と思いながら見入ってし
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オーソン・ウェルズの フェイク(1975年製作の映画)

4.0

オーソンウェルズの90分独演会。

冒頭のオヤ・コダールを見つめる視線、視線、顔、顔からはじまり、真実と虚構(フィクション)の境界が不可侵なものではなく、共存していくものだと見せつけられる。

上質な
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シュザンヌの生き方(1963年製作の映画)

3.7

下を見ていては成長はない(というより、誰かを下に見ることで産み出されるものはない)。

私小説みたいな手触りで面白い。
理屈っぽくあれこれを考えるよりも、損得とか抜きに色んな人と出会って自分の楽しいこ
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モンソーのパン屋の女の子(1963年製作の映画)

3.8

半世紀前のモノクロの壁ドン。

なかなか自信家の男だけでちゃんと二股とかではなく、30分間雨の中本命を待ち続けるあたりは誠実な男なんだろう。

サブレーとかタルトとかをハンバーガーやコンビニおにぎりの
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サン・ソレイユ(1982年製作の映画)

3.6

本当に長い長いエッセーのようなものなんだけれど、不思議と退屈ではなくて、それは意外と焦点をひとつに絞らないまま、ただ旅しているみたいな感覚だからかもしれないと思った。細切れで見てもいい感じもする。>>続きを読む

僕はイエス様が嫌い(2019年製作の映画)

3.5

九州出身で見慣れないからか、一面の雪景色というだけで何となく幻想的なにおいがする。
そして、故郷にはこんな宗教色の強い学校もないからか、これまたすごい幻想的な気分になる。
だから、全体的な手触りはビタ
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グッドバイ(2020年製作の映画)

-

何気ないシーンに映画的な表現が入っている(ように見えた)。
ずっと不在だった人が別に二度と会えないわけではなくて、簡単に戻ってくるのがいい。

ラストシーンの危うい感じも良き。
ただ、全然家事しないパ
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ある闘いの記述(1960年製作の映画)

3.0

礼拝台を乗りこなす子どもと、雑多な街並みが印象に残るムービー・エッセー。

科学と宗教は常に対立するものとしての意味合いが強いが、社会システムと宗教というのは必ずしも対立しないわけではない。
(むしろ
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シベリアからの手紙(1958年製作の映画)

3.8

同じ映像でも伝え方で捉え方は変わってしまう。問題はそれに自覚的であるかどうか。「客観的」という主観の言葉に騙されたままは良くないぜ!

特に前半は動物ドキュメンタリーで、そっちが面白かったけれども、金
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エンディングノート(2011年製作の映画)

-

しあわせな人生の終焉だからこそ、笑顔でなくて涙が溢れ出るんだと思う。
人生の節目節目に何回も観たい。

ナラタージュ(2017年製作の映画)

2.3

原作は昔々に読んだような気がするけど、こんな洒落臭い場面多かったっけ?という感じ。元々暗いお話しだなあ、というイメージはあったけど、坂口健太郎の役回りとか何これって感じ。

有村架純と松潤の濡れ場が一
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リスボン物語(1995年製作の映画)

4.4

4輪がペースを同じにして動き続ける(しかもそれぞれの車輪には空気が張り詰めている)車のように、誰かとの阿吽の呼吸がなければ映画を作ることは難しいように思える。
特に製作費がおいくら万円だとか、1日あた
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THE GUILTY/ギルティ(2018年製作の映画)

3.3

通信司令室のワンシチュエーションで88分。
サスペンスを入り口にして、自分本位な主人公の男が方々に電話をかけまくって暴走する。
基本的にはやっぱそうなるよなみたいな展開だった。

セリフが字幕になるの
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オクトパスの神秘: 海の賢者は語る(2020年製作の映画)

3.7

タコと男の交流ストーリー。
骨がなくて人間と遠い生き物のイメージのタコがすごく身近に思えるドキュメンタリー。というか、もはやタコが主人公の劇映画っぽい。


捕食者にも被捕食者にもなるタコの知能の高さ
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花束みたいな恋をした(2021年製作の映画)

3.9

天竺鼠とか押井守とか今村夏子とか色んな記号を記号として見せて、でもそこに2人だけの思い出ができたら記号じゃなくなって……っていう記号だったりして。

結局ダメになった恋愛も2人の関係性も取り替え可能だ
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私をくいとめて(2020年製作の映画)

4.0

「勝手にふるえてろ」の時と同様、部屋という空間に対する信頼を感じた。

語りが多くて対話がない映画は……とか思ってたけど、のんの独り言はめっちゃ魅力的だな。まあ、31歳には見えないのですが。
温泉のシ
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2/デュオ(1997年製作の映画)

3.8

即興演技に「どう思いました?」みたいなアバウトな質問で、でもそこに2人の生きている人がいればそれだけで映画は成り立ってしまう。

次が誰にも見えていないからか、気まずさがすごくリアル。「結婚しよう」っ
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二重のまち/交代地のうたを編む(2019年製作の映画)

4.3

語ることや映像で伝えること自体の限界を自覚しながら、それでも真剣に向き合い言葉を紡ぐこと。ひたむきな「継承」のはじまり。

町田くんの世界(2019年製作の映画)

3.8

わかりたいし応援したい気持ちになった、世界と向き合う勇気がもらえる映画だった。

世界は無関心(悪意というよりこちら)にまみれていて、そんな中で町田くんの善意ってなんでそこまで?という感じだけれど、こ
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天使の分け前(2012年製作の映画)

3.5

天使の取り分をキルトスカート付けたはみ出しものがちょっと多めに頂戴しちゃうお話。

ケンローチだからなんか社会派な要素あるのかと思ったけど、あんまりそういうテンションで見るものでもない感じだった。
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A GHOST STORY ア・ゴースト・ストーリー(2017年製作の映画)

3.4

ところどころのビジュアルとかシーツを被った幽霊など好きな要素はたくさんあったが、いまいち乗り切れなかった。

中盤あたりから少しずつ時間の流れが早くなっていくところから後半の時空を飛びこえる感覚など、
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5windows(2011年製作の映画)

3.8

一人称を集めて風景と思い出を語る。

8月27日土曜日、黄金町、大岡川沿い、繰り返される14時50分に過去と現在が混ざり合う。
物語にもならないとりとめのない話。
でも、誰かとその場所の話。

ところ
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私はあなたのニグロではない(2016年製作の映画)

4.0

ジェームズ・ボールドウィンの冷静な言葉で、黒人がアメリカという国で置かれてきた状況をひとつひとつ再認識する映画。

自由の国といいつつも明確に分断の壁が横たわり、白人が善であり、セクシーであり、かっこ
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ガートルード/ゲアトルーズ(1964年製作の映画)

4.2

愛していると言ったその瞬間、相手に気持ちが通じた瞬間から、愛は次第に自分から離れていく。
相手に愛は決して届かず雲散霧消とまではいかないが、どこかに消えて取り止めがない。
ならば、心の中で心地よい距離
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ディアマンティーノ 未知との遭遇(2018年製作の映画)

3.5

クリロナとは一切無関係のディアマンティーノがボールを持つとモフモフの犬がたくさん走り抜け、ゴールへと彼を導く。

ポルトガルの英雄からW杯V逸の戦犯となった天才FW(なんか長嶋茂雄とかに通じるほんわか
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

-

If Anything happens I love you.
愛してるって言っておくね
という一言に込められたお話。

はじめはただの夫婦の諍いかと思っていたら、ピタゴラスイッチからのとても重たい事
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ヒルビリー・エレジー -郷愁の哀歌-(2020年製作の映画)

3.4

シンプルにボロボロになった人生も頑張れば再び立て直せるのだという勇気がもらえる物語だったと思う。

アメリカで酷評されているのは原作のテーマの貧しい白人の絶望感、アメリカという国家への怒りがまるまる削
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アタラント号(1934年製作の映画)

3.8

小さい船に狭い船室のはずだが、猫ちゃんのおかげか全然狭苦しくなってないのが素晴らしかった。
唯一狭さを感じたのは船長が親爺の部屋で暴れるところ。
怒って暴れるには船は小さすぎる。
船の外の世界も必要。
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