Tygaさんの映画レビュー・感想・評価

Tyga

Tyga

夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.6

過去のできごとが暗い今を照らす光だと気付くために深い夜がある。少なくともいつかそう思える日がくるということにしておく。

決して「再生」はしないし、「全快」もないけど、しかし緩やかに新しいかたちの自分
>>続きを読む

あなたの顔の前に(2020年製作の映画)

4.1

なぜ良いのかの言語化がこんなに難しい映画は初めてだがとにかく何にせよ良いので機会があれば見てほしいと思った。

何の思い入れもないはずのおばちゃんの「ほんとにちょっとだけ弾けるギター」がなぜ心にくるの
>>続きを読む

少女は卒業しない(2023年製作の映画)

3.5

高校の卒業式とかあまりにも受験一色だったせいでほとんど記憶がないので、どこかでこういう青春もあったんだなぁ、と思いながら観てたら、開始1時間で一気に雰囲気が変わって、ただの卒業ムービーから不穏な空気を>>続きを読む

MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

3.1

タイムループに気づいたら、とりあえず5回くらいはバカンス旅行するし、転職先がこんなに無茶振りしてくるところだったらその時点で転職は考え直すし、最後もまず労働環境の改善を考えるべきではとツッコミは止まら>>続きを読む

せかいのおきく(2023年製作の映画)

3.8

「せかいというのはあっちの方へと向かっていけば必ずやがてこっちの方から戻ってくる、そういうものです」

江戸時代の肥溜めを主軸にした異色の時代劇。
モノクロなので肥溜めの抵抗感や臭いがマイルドになって
>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

4.2

単純にひとつひとつの事柄の見せ方が上手いなと感じた。
その分、たまにミュージックビデオみたいな時もあるけど、2つの家族の関係性というか、距離感がよく表現されているなと思ったし、安易なヒトコワとか人種差
>>続きを読む

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

4.2

エマ・ストーンの冒険世界旅行、めっちゃ面白かった。

最初は理解不可能でアンバランスな存在に見えた彼女がどんどん身近な1人の人間に感じられてくる。その明確なラインはよくわからないけれど、自分の欲望には
>>続きを読む

エルミタージュ幻想(2002年製作の映画)

3.8

「なぜ私がここに居てロシア語を話すのか解明せねば」

これだけの人々が動き回る映画をワンカットで撮るという離れ業のようは手法でありながら、それが決していちばんの見どころになっているわけではないことがま
>>続きを読む

ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7

過激な動物愛護団体から肉屋を襲撃された夫婦のドタバタ復讐劇(?)であり、新感覚カニバリズム映画。

「草食だから美味い」とか「去勢牛が一番美味いから性転換者の肉が一番美味いはずだ」とか、延々とあれこれ
>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.5

空を見上げて微笑む役所広司。
日常の手の届くところにある自動販売機(缶コーヒーを補充する人がどこかにいる)でルーティーンをはじめ、朝の空に微笑み、木漏れ日を愛する。
ただ、汚れた場所を前と同じように綺
>>続きを読む

枯れ葉(2023年製作の映画)

4.2

ラジオからは気が滅入るようなニュースの連続。
仕事は失敗続き。
理想の自分などいつしか無くなって、現状の自分のままでは受け入れてもらえないとしても、現実に絶望する必要はないのかもしれない。

ただ、自
>>続きを読む

マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

4.1

新作はまだ九州の外れの街には届いてこないので、まだ未見だった旧作を観る。
基本、アキ・カウリスマキは引き算の美しい作家だと感じているのでめちゃくちゃ好みの作品だった。
無表情かつセリフも最低限のカティ
>>続きを読む

キューポラのある街(1962年製作の映画)

3.7

経済的なことは子どもにとっては、自分ではどうしようもないことだから、その事でやさぐれてしまったりしてしまうのを責めることはとても難しい。

牛乳泥棒をしたシーンで少年たちが気づくであろう「ある」ところ
>>続きを読む

ほつれる(2023年製作の映画)

3.5

ずっと終わりの予感が漂っていて息苦しくて、80分台と思えないくらい心が削られた。

「縦の糸はあなた、横の糸はわたし」というくらい綺麗な関係で居れる事が理想なのかもしれないが、生きていればどうしても出
>>続きを読む

ナポレオン(2023年製作の映画)

3.7

ナポレオンの主な戦いは一応やってくれてはいるし、砦の奇襲にアウステルリッツの戦いのシーンと勝った場面も多いはずだが、戦争が時代がいかに多くの犠牲を出すのかという部分にフォーカスが当たっている。何よりも>>続きを読む

正欲(2023年製作の映画)

3.6

「普通」という言葉が持つ攻撃性には、自覚的でなければならないなと感じた。
稲垣吾郎ほどデフォルメされていなくとも、誰しも他人をカテゴライズしてしまったり、他者への理解の画素が粗かったりは必ずあると思っ
>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

-

できれば単独の1作品として、色々考えたいのだけれど、それができないくらい色んな宮崎駿作品がチラついていて、すごいジブリファンでもない自分がこんなに色々な作品を思い浮かべられるくらい、宮崎駿の作品は共通>>続きを読む

なま夏(2005年製作の映画)

3.2

吉田恵輔監督のデビュー作。

めちゃくちゃストーカーで、最終的にヤバ通り魔になってしまうのに、その後、病室隣で顔を合わせずに交流を重ねるというなんともファンタジックなお話し。

U-NEXTの作品紹介
>>続きを読む

エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス(2022年製作の映画)

3.8

疾走感とギャグが全部ハマったわけじゃなくて若干胸焼けして途中でなんか色々どうでもよくなってしまったが、それでもなんか最後の方のシークエンスはすごく印象に残った。
正しいことが揺らぐ世界だからこそ優しく
>>続きを読む

ヤクザと家族 The Family(2021年製作の映画)

4.0

タイトルロール終わるあたりまでが完璧でぶち上がった。
だが、そのかっこいいは長く続かず、ほぼこの1999年に置いていくことになる。(2005まではかっこいいの範疇なのかもしれないが、こっちもどっちかと
>>続きを読む

子供はわかってあげない(2020年製作の映画)

4.2

「わかった、暗殺気をつける」

沖田修一らしい緩いコメディ感が漂い続けるのだが、それだけじゃなくて笑いの奥にあった彼女の気持ちとか、1人きりの部屋から聞こえるテーマ曲とか、そういう瞬間を瑞々しく切り取
>>続きを読む

花咲くころ(2013年製作の映画)

3.3

ナティアとエカ、2人の少女がお互いのことをどう思っているかなんて改めて言葉にはしないけど、大人の事情や男のプライドによって彼女たちの関係が変化していくのは仕方がないことなのか。
この後のナティアの生活
>>続きを読む

ゴダールの決別(1993年製作の映画)

-

「ポジは誰にでもあるけど、ネガは自分で作るもの」

見えないものを見ようとし続けたが、まだ見ることはできなかった。もしかしたら、永遠に見ることができないかもしれない。(端的にいうと、この映画自体はよく
>>続きを読む

怪物(2023年製作の映画)

4.0

よくできている脚本だな、次から次へと新しい情報によって見え方が変わっていく面白い作品だなと思いながら観ていた。
カンヌでLGBTQ関連の賞を得たこともわかる一方、それにだけ焦点の当たっている映画ではな
>>続きを読む

コロニア(2015年製作の映画)

3.5

またひとつ、近現代の真っ黒い歴史を知ってしまった。チリでカルト教団組織が政府と結託して反政府の人間たちを拷問した後、教団施設の中で強制労働に従事させていた(それとは別個にカルト教団によって隔離された宗>>続きを読む

ホモ・サピエンスの涙(2019年製作の映画)

4.0

「だったらトマトの方がいいわ」
定点カメラで一枚の絵画のような美しさの構図。
そして、なんか断片的で多分こういうのを映像詩というのだと思う。しらんけど。

すべて忘れた頃に昔読んだ絵本を捲るようにふら
>>続きを読む

別れる決心(2022年製作の映画)

3.5

ファムファタール、見る見られるの関係性の変化。
夜に眠れない刑事。霧の街などなど、サスペンスっぽい趣向を凝らしているのに、なぜここまでずーっと絶妙な湿り気を伴うラブストーリーで在り続けることができるの
>>続きを読む

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)

3.8

銃を一度も撃ったことない伝説的な銀行強盗のお話し。

銃は脅しの道具なのかもしれないし、もしくはそういう目的すらなくて、ただ彼がただの紳士ではなく銀行強盗であることを示すためだけに必要なモチーフだった
>>続きを読む

セールス・ガールの考現学/セールス・ガール(2021年製作の映画)

3.0

よくよく考えなくても人生初のモンゴル映画。

主演女優大変身賞みたいな賞があれば今年の最有力候補になるだろうってくらい、どんどん垢抜けていく主人公が1番の見どころ。後、家でこっそり描いてる絵のクオリテ
>>続きを読む

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

4.5

何かが終わりを迎えても生活は続く。自分ひとりではどうしようもないことの多いこの世界で、それでも人と関わること、誰かにちょっとだけ支えられること、誰かをちょっとだけちょっとだけ支えること。
わかりやすい
>>続きを読む

最後まで行く(2014年製作の映画)

3.6

日本のリメイク版を観てから鑑賞。
冒頭のシーンの犬がいい味を出している。

日本版よりもめちゃくちゃソリッドに追う/追われるの関係が出来上がっていてカッコいいのはこっちだなという感じ。一方であっちこっ
>>続きを読む

最後まで行く(2023年製作の映画)

3.8

顔芸名人たちによるオールスター感謝祭。
緊張と緩和も見事で面白かった。
爆発とかの衝撃の演出が見事に伝わってくるし、1番の見せ場は間違いなく結婚式当日の本部長と綾野剛の顔芸。

岡田准一と綾野剛の顔芸
>>続きを読む

KIMI サイバー・トラップ(2022年製作の映画)

3.8

かなりサクッと見られる作品だけど、コロナ禍のマスク生活や、ロックダウン後の外出恐怖症、スマートスピーカーといった現在を上手く混ぜ込んでサスペンスに仕上げていてすごいなと感じた。

まあ、悪役が全然強く
>>続きを読む

僕たちは変わらない朝を迎える(2021年製作の映画)

-

YouTubeとかでちょっと前に流行ってたイメージの長いMVのような映画。

後悔というのは溜まっていくけれど、どうしようもできないことも溜まっていく。決して全部をクリアに話し続けることはできないし、
>>続きを読む

ふたつのカタルーニャ(2018年製作の映画)

-

観る時に結構な数の前提知識が必要で(シウダダノスは政党なのか、人名なのかしばらくわからなかった)、出てくる政治家や専門家の数が多い上に結構短めの一言で次から次へと次から次へと語りに入るから、「それであ>>続きを読む

ヘンリー(1986年製作の映画)

3.4

誰かを殺したい
何て言った
誰かを殺したい
じゃあ出かけようぜ

殺人鬼の動機など、「理解不能」であることを受け入れるしかない。ただ、人を殺すことの快楽を彼が得ているようには感じられなかったのが少し残
>>続きを読む

>|