ドナウ

炎上のドナウのネタバレレビュー・内容・結末

炎上(1958年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

この世の中決して変わらないものなど存在せず、驟閣寺さえもマッチ1本で醜く変わってしまう。あれだけ立派だった寺も燃えカスになってしまうのにどうして人が変わらないということがあるのか。父と重ね憧れた住職も今となっては金と女にうつつを抜かし驟閣寺を見世物にしている始末。溝口への想いも諦めに変化し、偽善と相手を責めても原因は吃音により心を閉ざした溝口にあるのだろうし、独り善がりの理想を押し付けているだけでしかない。その理想も父のように死んでしまったと、溝口の想いと共に驟閣寺に火をつけ葬ったように見えた。シネスコで捉えたその燃え上がる驟閣寺と巻き上がる火の粉は圧巻で、火葬の火も魅力的だった。それとカタワと罵られた仲代達矢の反応が面白かった。
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