雑感メモ
スコットランドの英雄ウィリアムウォレスの活躍を描いた作品。
…なのだが、製作陣も認めている通り史実からかなり脚色されており、歴史モノとして見る際には注意が必要。
基本的には、高潔にして完全無欠なモテモテ英雄ウィリアムウォレスが、悪辣非道なイングランド軍を薙ぎ倒してゆき、最後は皆も鼓舞されて良かったね…だけの映画なので、正直3時間観るのがめちゃくちゃ辛かった。
スコットランド政府が作ったプロパガンダ映画なのか?っていうような内容。
上述の通り、"史実をベースにエンタメ(?)に振り切った"作品なので、ジャンルとしては「ヒーロー映画」に近いのかも。
なので善悪の構造も極端に単純化してるし、ロマンス部分は歴史改変も甚だしい。イギリス王室はマジギレしても良いんじゃないかと思う。
そんな映画を、オーストラリア出身でスコットランドと何の関係もないメルギブソンが、本人自ら主演&監督&制作までしているわけで、なんか自分がかっこいい役を歴史スペクタクルの大義名分を得てやりたかっただけじゃないのか…?とか勘繰ってしまった。
この焦点の当て方、描き方でアカデミー賞取ってるのは、やっぱ90年代って事なんだろうな。
とはいえ、あんまり制作当時のスコットランドと英国政府の関係性を分かっていないので、もしかしたらリアルタイムで観た人からすると、ホットな時事ネタを扱った、意図した政治的な映画だったのかもしれない。知らんけど。
とはいえお金をかけて13世紀末のイングランドとスコットランドを見せてくれる(タータンチェックの衣装とかは史実と違うらしいが)ので、その分は楽しめます。