ShinMakita

大虐殺のShinMakitaのレビュー・感想・評価

大虐殺(1960年製作の映画)
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☆俺基準スコア:2.7
☆Filmarks基準スコア:3.7





大正12年9月1日午前、戦争後の不景気で失業率が上がる東京…突然の大地震で家屋は崩壊し、地割れと火事で住民たちはパニックに陥った。そしてすぐさま、混乱に乗じて朝鮮人がテロを引き起こしているとのデマが広がった。軍憲兵隊はこれを利用し、朝鮮人や社会主義者たちの一斉検挙に踏み切った。労働者向け新聞を発行していた青年・古川も逮捕され、朝鮮人たちが銃殺される現場に遭遇。自身も機銃掃射を受けるが無傷で逃亡する。駆け込んだ先は、恩師である大杉栄の屋敷。大杉はアナーキストとして名の知れた学者であった。やがて軍部は大杉にも目をつけて、大杉本人と愛人、そして6歳の甥を引っ張り、尋問と称して無惨に殺害してしまう。首謀者・甘粕大尉は10年の刑を言い渡されたが、その上官の刑事責任は問われなかった。憤懣やる方ない古川は、仲間の村上と共に報復テロを計画。その資金を得る為、大阪で現金を運ぶ銀行員を殺害してしまう……


「大虐殺」


天知茂主演の新東宝映画。「福田村事件」の参考作品として重要な一本。朝鮮人虐殺だけでなく社会主義者を逮捕・殺害した軍の暗部と、その結果テロリストを産んでしまうという悲劇を描きます。特に憲兵隊・甘粕大尉がやらかした、いわゆる「甘粕事件」は本当に酷く(子供殺してるんだよ!)、この甘粕がその後どうなったかをwikiで読んで絶句しましたよ。

天知茂演じるアナーキスト青年の転落ドラマで、恋愛も絡めたセンチメンタルなストーリーだからエンタメ度が高め。それにしても、こういうことを歴史の授業で教わりたかったなぁ。
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