このレビューはネタバレを含みます
夏になると観たくなる大好きな映画。
ユーモアと狂気と気怠さ
シュールと生死感と信念
ひとつの映画でこんなにバランスよく、かつ1人の男の浪漫を美しく切り取ったヤクザ映画があるなんて誰が思いまっか…
タイミングの感覚、余白の感性が隅々まで研ぎ澄まされていて、台詞と挿入曲の印象もドンピシャにキマる。
今作で有名な浜辺でジャンケン・ロシアンルーレットのこめかみにチャカをあてるシーン(と野獣死すべしのリップヴァンウィンクル列車内シーン)は特別に忘れ難いんだけど
みんな盾持ちながらお互いに花火放つシーンで、たけしがどさくさに紛れてニヤついて銃撃ってるの冗談が過ぎて最高以上。
その後、終盤では阿南組とのホテル会合へ身ひとつで乗り込み、真剣な眼差しで華麗に銃捌きする対比にまた見惚れた。
ただ、北野監督曰く「暴力団を賛美した表現をしたことはなく拳銃を使った人間は幸せになれないようなシナリオにしている」との事。
まったく…痺れあがるぜ!