アイズ ワイド シャットのyのネタバレレビュー・内容・結末

やはりキューブリック特有の映像美、お洒落感が満載の作品。割と長めの作品で内容も謎だらけだが最後まで飽きることなく没入できた。

まず冒頭のシーン、主人公たち夫婦が既にお互いを男女として見ていない冷めた関係であることを観客が瞬時に見て取れるというのは秀逸。なんとなく後の展開は知っていたものの、序盤はまったくカルト感など感じさせない演出で純粋に楽しんで観ることができた。それゆえに突然あの奇妙なパーティーに足を踏み入れてしまった時の異質感、非現実味が際立って思えた。

あのカルト集団たちと比較するとトム・クルーズは元々倫理があって誠実な人間として描かれているが、同時に彼は容姿だとか肩書き、お金で大概解決できると信じている人物としても描かれていて、周りの人々もそれだけで彼を信じて疑わないところが所詮彼も彼の周りの人間も図々しく利己的な考えばかりなのだなと感じた。