最後のセリフにより結論される夫婦関係を映したものとしてカサヴェテスの『こわれゆく女』を真っ先に思い浮かべたけど、こっちの方が何故かしっくりときた。仮面=人格という、人格の転移可能性を説いたものばかりを最近は見ていたので、仮面=建前というシンプルかつ普遍的な描かれ方に少し癒されただけかもしれないけど。
その一方で、あの密儀のような仮装乱交パーティーは実際のところ何を映し出したかったのか、という仮面=建前とは別次元のオカルティズムな視点も持ちたくなってしまう。
あらゆる視点を設けたくなる、このつかみどころのなさが好きだ。