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陰陽師 IIのmatchypotterのレビュー・感想・評価

陰陽師 II(2003年製作の映画)
4.1
もはや、安倍晴明、野村萬斎抜きには語れない。
もうこの先、安倍晴明と言われたら野村萬斎を想像せずにはいられない。

相変わらず導入部分からの引きずり込み方がハンパではない。平安時代、光と陰が混在し、雅な京都の傍で魑魅魍魎、鬼が跋扈する世界が•••と、のっけからいきなり助走なしでぶっ飛ばしてくるがなんのその。この引き込み方で観てるこっちは勝手に順応してる。何なら自ら平安時代の街並みが当たり前かのような錯覚に陥っていてなんら違和感なく、ふむふむと話の中に入り込んでる。

前作の真田氏しかり、今作の中井貴一氏もこういう必要悪的なキャラを演じさせたらなかなか右に出るものはいないのでは。
しかも時代劇系ならではの現代にはない“何か”を計り知れないほど背負ってるという役を“現代では測れない何かを背負ってる”をこちらに理解させる力、すさまじい。

総じて前作も本作も雰囲気から何から何まで陰陽師にスポットライトを当てた映画として極まっている。

あのスサ、市川隼人だったのか。忘れてた。初々しい感じはこのおどろおどろしい部分を持つ役としては見てて危なっかしい一面はあるが、何もわからんまま親父の操り人形になっているという意味ではある意味それっぽく見えなくもない。

そして、深キョン、もう、町娘っぽさか残る純朴で自由な雰囲気もあるのに右大臣の姫ってと思いきや、話が進むに連れて実はとんでもない存在ってことになるとそれはそれで納得というかそれぐらい“自由”でないと、な。そりゃな、と有無が言えない。
そして、スーパー可愛い。相変わらず可愛い。あのシーンはなかなかドキドキが止まらない。

ただでさえ、平安時代の鬼や祈祷術など神秘的なネタを完璧にエンタメに昇華させてる上に今回はさらに神話、出雲、古事記の話を持ち込む。もはや神キャラの大渋滞だがこういう日本古来の歴史や神話や昔話にロマンを感じる人にはもう堪らない作品。

なんでこんなに仕上げているのにさらに続編作らなかったのか。仕上げすぎてお金使い果たしたんかな?ネタがないのかな?またやらんかな。
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