原田美枝子目当てで鑑賞(日本アカデミー賞最優秀助演女優賞受賞)。
主人公の作家の情愛を中心に描いた濃厚な文学作品。
桂一雄の母親は浮気をし、一家はほぼ離散となる。
そんな彼は作家として大成し、結婚、子供も5人生まれる。
しかし息子ひとりが病気によって障害を持ち、母親の精神もおかしくなり、結果、桂一雄は新人舞台女優の恵子と不倫する。
家を出て行き、恵子と楽しい生活を堂々と過ごす桂一雄であったが…
ストーリー自体はそこまで突発したものを感じなかったが、なんせ緒形拳、いしだあゆみ、原田美枝子、松坂慶子の芝居が凄い。
この手の役をやらしたら当時右に出るものはいなかった緒形拳も良いし、妻・母親、そして「何でも知っている」がとても怖いいしだあゆみ。
お互い違った色気を全面に出していた原田美枝子と松坂慶子。
ふたりはひとつの映画の中で、様々な一面を表情だけで見せてくれていて、素晴らしい。
個人的には緒形拳と原田美枝子の喧嘩の場面が圧倒的だった。
原田美枝子が顔に怪我を負って撮影中止になったと自伝で読んでいたが、本当に怪我をしてもおかしくないくらい身体を張ったふたりのお芝居に脱帽。