貝

ジョニーは戦場へ行ったの貝のレビュー・感想・評価

ジョニーは戦場へ行った(1971年製作の映画)
4.0
こんな残酷で強烈なメッセージを持った反戦映画他にない。タイトルは兵士募集の宣伝文句らしく、ジョニーが銃をとった結果、五感と四肢を失ったという意味あいの皮肉なタイトル。

ジョー(ティモシー・ボトムズ)が目を覚ますと辺りは暗闇に包まれている。手を失って、足を失って、耳が聞こえず、光を感じる目も話す口も、舌ですらないことに徐々に気づいていく。ひたすら夢と記憶のあいだを往き来して、日々を過ごす。ジョーにしたら日々とかそういう、時間を刻む感覚も持てない。彼の問いかけは誰の耳にも届かない。
せめてもの希望を彼は少しずつ見つけていくのだけど、そんなことが何になるんだろう。研究材料として死ぬことすら許されない、感情を持った肉の塊にジョーはどんな存在意義を見出せるというんでしょうね。

想像を絶するというか、もう、絶望?そもそも現実?何これ、シュルレアリスム?彼の感情を表せる言葉って、存在するの?
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