Keiko

哀しみのトリスターナのKeikoのネタバレレビュー・内容・結末

哀しみのトリスターナ(1970年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

まず驚いたのが、カトリーヌ・ドヌーヴの音声がスペイン語に吹き替えられていたこと。スペイン公開版か何かを見ているのかと思ったら、しっかりとこれが本家本元だった。
確かに作品の舞台も役名もスペインだけど、フランス映画なのにそういうこともあるんだなぁ。本作において、ドヌーヴの音声は聞けないってことか。ルイス・ブニュエルの母国がスペインだからだろうか。

鐘楼で男の子たちと遊ぶトリスターナ(ドヌーヴ)の脚がかなり印象的で、やけに何度もスカートがはだけるなと思っていたら、これはある意味伏線だったのかな。
一度逃げ出した場所に出戻ってきて、そこで足を失い、二度と逃げられなくなったトリスターナ。

トリスターナのドン・ロペへの感情は難しい。文字通り愛憎だとは思うんだけど、死を前に戻ってきた事実と、彼を見殺しにした心理が上手く繋がらない。
ただ、彼女をドン・ロペに託したオラーシオに「ドン・ロペなら私を他の男に預けたりしない」と怒る経緯は納得。ドン・ロペに愛され、束縛され、執着されすぎて、それに劣る愛情表現には満足できなくなったのだと思う。彼女がドン・ロペを愛しているかどうかは別問題として。
Keiko

Keiko