ジャイロ

三つ数えろのジャイロのレビュー・感想・評価

三つ数えろ(1946年製作の映画)
3.4
映画みたいに三つ数えろ

そんな状況そうそう無い

でもフィルム・ノワールならそういうこともあるよね?ない?

原題は『大いなる眠り』

その意味はよく存じ上げませんが、原作がハードボイルド小説なので、ハンフリー・ボガートが実にハードボイルドなんです。

「小柄なのね」

「でもいい男ね」

そう言って、いきなりしなだれかかってくるもんだからびっくりしましたよ。人は本当のことを言われると怒るものだからハンフリー・ボガートに怒られるんじゃないかって冷や冷やしました。でもそこはそれ、大人の対応だったのでひと安心。

それにしても…展開早いし台詞もハードボイルドだし、とにかく登場人物が次から次へと出て来ては、すぐ使い捨てられるものだから、わちゃわちゃしていてなんだかもう大変。頭フル回転させながら観てました。

ヒロインはハンフリー・ボガートの四人目の奥さん、ローレン・バコールなんですね。結婚は1945年、この映画は1946年なので夫婦で演じてるってことか。なんだかすごいな。ハワード・ホークス監督の映画によく出てくる勝ち気なヒロイン。主役に負けじとなかなか貫禄がありました。でも彼女、どこにでも出てくるもんだから観てるこっちは大変です。そんなことある?

実際の所、私立探偵って現実味があんまりないけど、この映画は特にそう感じてしまいました。何故だろう。推理するより現場で解決。そんなスタイルだからかな?ちょっと強引。

あと、所々でいろんな女優さんが出てくるのですが、みんなキャラがしっかりしていて、この辺、実に面白いなぁ。すぐ消えてしまうのがもったいなかった。