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あゝ予科練のmhのレビュー・感想・評価

あゝ予科練(1968年製作の映画)
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モノクロなので古そうだが、任侠ものが飽きられてきたころに作られてる。藤純子はもう引退間近。制作年順だと「ああ江田島」→「ああ予科練」→「ああ海軍」とのこと。構成はどれもけっこう似ている。
前半は予科練の生活を再現しててどことなく、江田島のドキュメンタリー「勝利の基礎」っぽい。
リアリティを追求したせいか、それともこの映画の制作当時の反戦の流れを汲んでか若者たちはわりと生意気に設定してある。それがかえってドラマっぽさを加えてる。
後半からは特攻。前半脱落組が合流するのはいい伏線。
生徒たちが実家に帰ると、両親たちはみんな戦争反対の立場だった。あんまリアルじゃない感じ?
東映の看板スター、鶴田浩二×藤純子が笑えた。自分に似てる手彫りの仏像渡してどうすんだ? いい役与えないといけない事情はわかるけど、それがなんで仏像に帰結したのだろうか。
坊主の若者鑑賞勢にとっては、みんな美形でかなりいい一本。
ミニチュア撮影も控えめでちょうど良かった。
地味だがしっかりとしたドラマで、地味だがしっかり面白かった。
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