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天井桟敷の人々の犬のレビュー・感想・評価

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)
3.0
前提として当時はナチス占領下にも関わらず、冒頭とラストに於けるエキストラとオープンセットの規模感に圧倒されて泣きそうになる。群衆を掻き分けながら進むシーンでは『鶴は翔んでゆく』を想起したが、今作は密度の高さから動線なんて存在しないしカメラが引いても人で埋め尽くされていて追っても決して追い付けない二人の距離に凄みを持たす。年月を掛けた四角関係の相関図に感情移入も何もないが、個人的にはナタリーに同情せざるを得ない。
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