貝

天井桟敷の人々の貝のレビュー・感想・評価

天井桟敷の人々(1945年製作の映画)
4.0
名作と言われてるけど、肌に合わなそうだなとまったく期待してなかったです。

まずしょっぱなバチスト(ジャン=ルイ・バロー)のパントマイムにバチーーーンやられました。1章は舞台シーンがかなり多いのもあって、舞台劇観てるような感覚になった。これがそこそこだったらかなり退屈だったと思うんですが、体のしなやかさと白塗りで際立つ表情が本当に美しくてかっこよくて自然とバチストの無言劇に見入った。
ガランス(アルレッティ)はものすごくナチュラルに「恋は簡単よ」と言い、誰のものにもならない(誰のことも愛さない)自由な女性だった。純粋なバチストとは初めから釣り合わない人だったけど、バチストの純粋さが勝つか、ガランスの儚さが勝つか、の闘いだった2章はドラマチックでドキドキした。

クラシックすぎてわけのわからん映画じゃなかった。「フランス映画の金字塔」といわれている所以がなんとなく掴めた気がした。フランス人はこれを観て育つのかと。
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