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鳳城の花嫁のmitakosamaのレビュー・感想・評価

鳳城の花嫁(1957年製作の映画)
3.2
東映YOUTUBEにて。以前“鶯城の花嫁”を見たが、今作はその前作に当たる作品らしい。とは言え話は繋がっていない別物。
鶯城がかなり尖ったコメディだったので期待したが、期待したほどでも無かったかな?

鳳城の若さま(大友柳太郎)は嫁選びに対し、自分で選ぶと言いだし城を抜け出し江戸へ。
一応この殿さまは松平とのことで、場所はわからんが徳川家の血筋という設定らしい。

金ピカの着物で歩いている所を、浪人(田崎純)に出会う。上前をはねられる形で着物を金に換える。

江戸に出て、赤塚組なるならず者集団が豪商の資産と娘を狙っている。
基本ドチンピラのヤカラなのだが、リーダー格の進藤英太郎はインテリ悪党だ。進藤英太郎は相変わらず良い悪役を演じるなぁ。

殿さまは素浪人として商人の娘(長谷川裕見子・中原ひとみ)を助け、そのまま用心棒を兼ねた居候となる。この長女(長谷川)殿さまとの、中々進展しないウブなラブストーリーが主な話だ。

赤塚組が悪事を企むが、その都度殿さまに邪魔される。

やっぱりさ、大友柳太郎って善人を演じていても、どこかちょっとサイコパスっぽい雰囲気があるんだよな。敵のチンピラに殴られて「ありがとう、これでワシも殴れる」って笑いながら言う。なんか凄いやばい奴の空気を纏ってる。

赤塚組は松平の殿さまを騙り娘二人を捉える。手込めにする前になんと丸坊主にするとう余興を提案するのだ。ホンモノの殿さまが駆けつけるまでの時間稼ぎを作ってくれる。
またこの間に般若のお面を被った面白剣舞が繰り広げられる。やっとこのトンチキなノリが出てきた。このノリが前半にもっと欲しかった。

もっとハッチャケて欲しかったが、大友柳太郎の不気味さが良い感じに作用されて、それはそれで面白かった。
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