柏エシディシ

サスペリア PART2/紅い深淵の柏エシディシのレビュー・感想・評価

サスペリア PART2/紅い深淵(1975年製作の映画)
3.0
新文芸坐ダリオ・アルジェント・オールナイトにて。

オールタイムベスト級に好きな「サスペリア」は何度も繰り返し観てますが、実は「PART2」は人生初ッ!
実は全く続編でないどころか、映画としては全く別物のアルジェントの過去作である、という有名な逸話ばかりが先に来てて、観る機会がなく…この度最高の形で童貞卒業。

原題通りの鮮烈な「赤」の演出、テレパスの女性、屈折した母子関係など後のアルジェント作品との繋がりが見て取れて興味深いし、ムンクやホッパー、マグリットなどの影響が見られる絵画的ビジュアルも引用が直接的で、これは却って、アルジェントリテラシーが備わったオトナになってから観て良かったなぁ、と思ってもみたり。

そして、ホラーというよりサスペンスとしての造りが見事。
終盤の連続ツイストなど見応え充分。
ミスリードを誘う演出も効果的(監督のパートナー、ダリアニコロディが良い)だし、布石の置き方も丁寧。
割と乱暴な造りのその後の作品群より端正な佇まいじゃないですかぁ。
まぁ、それでもちょっと笑いそうになってしまうほどのゴア描写のギアの上げ方に、待ってましたアルジェント先生!と嬉しくなってしまうのだけれど。
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