Denkishino

スリーパーズのDenkishinoのレビュー・感想・評価

スリーパーズ(1996年製作の映画)
3.5
4人の青年の過去への復讐劇。
なかなかの役者陣を揃えての今作。とてもとても惜しい感じがしました。
ナレーションベースで進むのですが、それが少々説明過多な感じがあります。ちょっと詰め込みすぎた気がするんです。詰め込み過ぎたというか、詰めるところが詰まってないというか。
少年4人のキャラクターの掘り下げが少し足りなく感じ、とても固い友情の感じがイマイチしません。皆が皆、庇ってくれる理由もイマイチ。もう少し子供時代に割いても良かったような。ただ少年院の描写がとにかく必要ですから、この辺はとても凄惨な雰囲気がありました。ケヴィンベーコンのお陰ですね。
少年が青年になってから、4人の行く末はリアルな感じがよくします。あんな経験をして、全員が普通の道から外れないわけがないですから。法廷劇へ移ってからの流れも悪くはありません。ラストもその一瞬の幸福からの日常に戻っている様子は、単なる大団円に無く、物語的に落ち着きのある雰囲気で好感です。
やはり、やはり物足りない。時間が足りてないのか。あともう20分、長くはなるけど有情の固さと神父との交流の深さがあればあるいは。青年時代に移ってからの、はじめの復讐があんまりあっさりしてるので、例えばもう少し葛藤やら、もしくは思わずやってしまったような、あの2人の感情がもう少しこちらの気持ちを煽る感じも欲しい。神父が証言に立つほどの、嘘をついてでもそうしてやりたい気持ちなど、観客にもう少し共有できたなら、違ったでしょうか。

少年数人の物語といえば「スタンド・バイ・ミー」や「ワンス・アポン・タイム・イン・アメリカ」など好きですが、やはり少年時代の掘り下げがとても良かったです。この辺のうまさがあれば…うーん、なんだか本当に惜しい気がして…笑
いや、でも最後の締めは良いんです。あそこはナレーションと演出でグッときます。
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