江戸の油問屋が強盗に逢い、狂四郎は犯人の一味から格之助という人物と間違われる。
素晴らしかった。謎めいたオープニング(ラストへの布石が既にある)と早い展開に心ひかれる。天知、雷様、藤村志保とメインキャラが3人いて、話に厚みがあり、特にクライマックスはさまざまな場面が同時進行して面白い。伊福部メロディも内容に合っている。
夜のシーンのセットは背景があまりなくて(予算の都合か、狙ったのか)、黒バックにライトを当てたり、スモークをたいて雰囲気を出しているけど、これがとても決まっている。さりげなくフレーム内フレームが作られる。
狂四郎が「お袋さまと同じ女性に理不尽を働く輩は、理非曲直は問わんぞ」と言ったり、テロリストの天知が少女との約束を大切にしていたりと、ロマンが爆発しているのがとても好み。
「市川雷蔵祭」