おらが春

らせんのおらが春のネタバレレビュー・内容・結末

らせん(1998年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

『リング』に続いて視聴した。
前作と比べてだいぶSFサスペンス味強めな印象だった。
「貞子の呪いは天然痘ウイルスに類似するもんなんだぜ」は知ってたけど、「生き残る条件は『貞子拡散の協力者になること』なんだぜ」は今回の視聴でようやく理解した。意地悪いぜ....

意地悪と言えば、今作は心霊的な怖さ以上に「人の業の深さ」みたいな嫌さが強い辺りも意地悪を感じた。
安藤自身が悪人というわけでは無いのがまた。自身のトラウマと利己的な行動をがっちり逆手に取られてしまって....あぁ。
そして最後、蘇った息子を見つつ同じく蘇った高山に「俺だったらこんな残酷なことはできないな」なんて言われたら「いやどうしたらええっちゅうねん!!!」ってなっちゃうよね。
ほんと意地悪だな!!!と思った。

前作の玲子だけど、祖父がビデオ観るも自殺(拡散できない)→陽一の解呪失敗で死亡→気を取られて事故死、という感じなのかな。
あのなかなか胸糞なラストから、こんなにもあっさり死体で出てこられるとなんかこう...無情というかなんというか...となる。しかも知らぬ間に貞子の協力者になってるしね。前作主人公完全敗北じゃないか。ここも意地悪ポイントかも。

そして主だって出てくる女優2人のビジュが良い!!!
中谷美紀の魔性な感じはもう最高だった。
また佐伯日菜子は色気が凄いし何よりなんか怖い!!さすがホラークイーン呼ばれるだけある...と感じた。


分からなかった部分もある。
特に高山の真意。最後、滅びゆくであろう世界に息子を蘇らせた安藤に「こんな世界に蘇らなんて、そんな残酷な事はしない」と言ってるけども、そしたらなんであなたも蘇ってるんだ...??という。
またどことなく言動が貞子側っぽい。
前作とだいぶ印象が違うし特に説明は無いので、ここはよく分からなかった。

あと宮下が感染を告白するシーン、正直「残念だな...」と感じてしまった。
貞子の井戸の話するとこまではギリ好きだったんだけど、その後の痣を見せるシーンはなんかあからさますぎる感じがしてしまった。もうちょいさりげない感じだったら好きだったかも、と思いながら観ていた。


ともあれ、個人的にはかなり好きな映画である。これが『リング』と同時上映なの、相当疲れるだろうな、と思う。
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