超空間コベ

あらしのよるにの超空間コベのレビュー・感想・評価

あらしのよるに(2005年製作の映画)
4.0
BL。イデオロギー共存。
そのいずれにおいても疑問は払拭されませんが、
児童向け作品として着地する妥協点
としては、まずまずであったかと。

確かに、良質のBLアニメである事に
異論はありません。
ドキドキ♪ムフフ♪なシチュエーション
満載です。♪

幼少期児童を対象とした、健全なる
LGBT偏見回避啓発育成ビデオ?
とか思ってしまいます。
…しかし、実際はその“逆”かもです。


(↓※この先ネタバレ含む)


物語を見ていない方でもお判りと思いますが、
“喰う×喰われる”という関係に揺れる
“ガブ×メイ”の掛け算は、結果として
不成立に終わります。

ガブとメイはプラトニック・ラブを貫き、
最終的に二人は“永遠の友情”を
選択するのです。

この作品を観て、
「ねえママ、何かヘンな気持ち…。
ドキドキするよ…ボク(私)おかしいの?」
と、感じた事の無い、湧き上がる衝動に
戸惑い、悶々とする児童たちに対し、

「越えちゃイケない一線があるのよ」
「許されないコトなのよ」
「友情だけじゃなく、全てを失うのよ…!」
と、諭しているかの様でもあります。

踏み止まったからこそ、迎えられた
ハッピーエンド。美しき友情物語。
これが本来の、男同士で取るべき
スタンスなのだと。

カタチや理屈では決して割り切れない、
自由に生きる事の素晴らしさを
高らかに謳歌したい!しかし…

“愛の成就”、それはまた同時に、
“愛の終わり”を意味する事でもあるのです。
こういったジレンマが、多くの視聴者に
モヤモヤを残しているのかも知れません。

「あっ……んん…っ!」
何かの拍子に、つい変な声が出ちゃう
メイに萌え萌えです。♪
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