傑作です。
つまるところ(今を生きる)ことにどれだけの価値を見い出せるのか…ってことだと思う。
主人公のエリックは母親の愛情が足りない孤独な少年である。隣家に引越してきたデクスターもまた、母親の愛情はあるが友達もいない孤独な少年でありHIV感染してて長くは生きられない。そんな2人が友情を育むのに時間はかからなかった。
エリックはなんとか病気を治したくて野草を煎じて飲ませたり、HIVに効くという特効薬探しのためにデクスターを長旅に連れ出すなど、かえってデクスターの身体に負担をかけてしまうのだ。無垢であるがゆえの残酷である。
しかし、家の中で誰とも接することなく僅かな時間を引き伸ばす為に少しでも長く生きながらえるのが正解なのか。精一杯、今を楽しく生きるのが正解なのか。非常にデリケートで難しい問題だがデクスターにとって後者に価値があることに間違いないだろうし、母親のリンダも十分理解していたように思う。
母親リンダ役のアナベラシオラ、『コップランド』でスタローンが密かに愛している相手の役をやっていて、その時もいいなと思ったけど、本作での彼女の演技が圧巻で素晴らしかった。
