Q

華氏451のQのレビュー・感想・評価

華氏451(1966年製作の映画)
4.2
本を読み返し、映画を見返した。どっちらも素晴らし

まず原作でかなりの描写がある巻貝とかシェパードなどを登場させないトリュフォーの選択におどろき。
これはトリュフォーが単にSF嫌いだったってだけじゃなくて、本来の意味での「近未来」を提示したかったのでは?
映像が持つ視覚要素を十分に活用せずとも、観る側の想像力を掻き立てるものを作りたかったのかも

それにしても確立された社会によって考える力を奪われ、支持待ち人間と化し、五感で感じたり心を動かしたりすることがなくなった人間の末路が恐ろしい。
精神が蝕まれるのは怖い。

焚書を見てナチスを思い出した。(『やさしい本泥棒』がまさにこのテーマだったなあ)

実体あるものは壊したり奪ったりできるけど、人間の記憶は誰にも奪えない
同じ過ちを繰り返さないためにも、記憶は未来を生き抜くための重要な遺産だ!
これは空想世界とどまらないぞ


そういえば、初めてこの映画を見た日の夜、
自分の腋毛が伸びすぎて、消防士たちが伸びた毛を滑り降りていく夢を見た。
Q

Q