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「華氏451」に投稿された感想・評価

コ

コの感想・評価

3.5
これだけ禁止されているということは、やはり本も新聞も情報源として危険な分、貴重なんだね。
秦の始皇帝もナチスも行って毛沢東も正当化した焚書みたいに、思考管理体制に気付けば気付いた者だけが賢い選択をすることができる。そう考えると現代のわたしはどうなんだろう。

本の人々の、覚えて頭の中に入れてしまえば焼かれることがないっていう考えは勉強になった。まだまだ勉強しないといけない。
紗季

紗季の感想・評価

3.3
ディストピアの金字塔の映画のはずなのに、監視社会感がまじで薄いと感じた
近未来、思想統一のために本が禁止された世界を描くディストピア作品。トリュフォー監督、唯一のSF映画。

活字を読むことは悪であり、オープニングクレジットも読み上げるといった徹底ぶり。

宇宙モノ、機械・ロボットが登場する作品を毛嫌いするトリュフォー監督は、近未来らしいものを排除し、撮影する。見慣れないのは、(現在では撤去された)モノレールと消防の役割を失った消防車(昇火車とでも言おうか)ぐらいだろう。

ラストの展開で、思想統一に真っ向から反抗する強い意志が読み取れる。書物は生き物。滅んではいけないのだ。

このレビューはネタバレを含みます

100分de名著経由で鑑賞。今見るとどうしても古い演出に感じてしまうところもあったり。モンターグが本に目覚めて行くのがとても良い。
継

継の感想・評価

4.0
書物の所有, 及び読書が禁じられた架空の世界。

本作は「耐火技術の進歩により火災が起こらなくなった」という設定ありきの物語, なんだけれど
映画の日本語字幕で “消防士” と訳される主人公の職業=Firemanは, 原作(新訳版)では “昇火士” と訳されています。
「消火🧯」の需要を失ったFiremanの職務が真逆なものになってしまった皮肉を,「ショウカ」の読みもそのままに意味を反転して「昇火🔥」の漢字を当てた, とても的を射た訳なワケでシャレたアイデアだなぁと(^o^)🎯。

原作は1953年に出版されたレイ・ブラッドベリの古典SF。
本作は著者の同意を得て1966年にトリュフォーが映画化したもので
タイトルは紙が引火し燃え始める温度を意味します。


主人公モンターグは昇進を間近に控えた昇火士。
違法に隠匿されていた書物を押収しては “昇火器ww” の放つ炎🔥で焼き尽くすという任務に誇りを感じていますが,
現代のスマホ中毒を思わすほどテレビに依存した生活を送る妻リンダとの暮らしは空虚そのもので, 昇進の話をしてもテレビから目を離さず「スクリーンがもう1台買える?」と関心はテレビの事ばかりの彼女とは溝が生じています。。。📺

「読むことを禁じた世界」を描く本作は, 普通は画面に表示されてコチラが読むこととなるタイトルやスタッフ・キャストの表記を無くして(字幕設定がONなら表示されますが), 代わりに音声ナレーションで紹介するという奇抜な手段で世界観を演出。モンターグが見る漫画も絵だけで台詞💬が一切無いとゆー徹底ぶり(^o^;オモシロイノソレ?。

ーやがて, ある強烈な光景を目の当たりにしたモンターグは, 法を犯してまで人を惹きつける書物とは一体何なのか?と疑問を抱き, 昇火の現場から密かに本を持ち帰ってリンダの寝静まった夜更けに一人, 読み始めます。。📕

利便性の高い電気製品が次々と家庭へ進出〜浸透し, ライフスタイルが大きく変化した時代の作品です。
原作者ブラッドベリは, テレビ📺の登場〜その視聴によって余暇としての読書の時間が削られていくさまに危機感を抱き, その行く末に待っているかもしれない未来社会への危惧を描いて警鐘を鳴らしていきます。

本が禁止されたその表向きな理由は, “不必要なウソで有害な情報に溢れていて社会平和の障害になる” からなんだけれど,
従順な市民を混乱させぬよう密告が奨励されるという‥, 何か何処かで聞いたようなww体制の, 表面上は統制の効いた平和を取り繕った社会が築かれるのですが,
その内実は, テレビから流される自らに耳触りの良い情報ばかりを浴びる様に見続けるリンダに象徴される, 思考力と記憶力を失った人々がもはや権力の強制ではなく自ら進んで人間性を放棄し, 無意識の内に飼い慣らされていく悲惨な姿。この様子が恐ろしく上手く描かれていきます。

ーかたや読書を続けるモンターグは, 綴られる言葉の羅列の流れるようなその文章を読み説いては,インスピレーションを掻き立てられていく読書の素晴らしさ・豊かさを知ってしまい,
テレビに依存するあまり彼との出逢いすら忘れてしまった妻よりも本へ, より「人の温もり」を感じるように変わっていきます。。📚

トリュフォーが撮った本作は, 原作に寄りながらも主要な人物や終盤に僅か一文で表される戦争の勃発〜終焉をバッサリcutするなど, 映画化に当たり文脈を見直し再構築を図った形跡が見受けられるものですが,

焚書により書物が次々と燃やされ, 印刷された文章が見る見る内に火に侵されて真黒な灰と化してゆくさまは頁(ページ)がその身をよじって苦しむようでもあり(因みに撮影はニコラス・ローグ),「本は生き物よ」という中盤の台詞をいみじくも伏線として回収するもので,

文章として読ませてその情景を想起させる‥ その豊かな思索の旅は素晴らしいけれど, 時にはダイレクトに視覚に訴える映像の方がより心に響く事例があると, 云わんとしているようにも思えました。


原作既読な方なら “此処で終わるのか…” と感じるに違いない, 唖然とするクライマックスが待ち受ける本作。
トリュフォーに善意に解釈するとするならば, 原作がたった一文で表現した(当時からは)未来の核の時代の戦争の “1click” だけで呆気なく世界が滅びてしまうその前に,

“出来る事がある”

と, 言いたかったのかもしれません。
NHK100分de名著を観て鑑賞。
もっとディストピア感がある風景を予想してたためか、本を燃やす以外は日常的な風景で肩透かし。
クラリスも想像と違って結構歳いってないか?もっと儚げな美少女のイメージだった。本のために死ぬ人もなんか落ち着いてて微妙。もっと狂気を滲ませてよ。
ディストピア映画で欲しいのは「陰鬱」「狂気」「美しさ」だなと感じた。
まさお

まさおの感想・評価

3.6
本が禁じられた世界で想像力と記憶力が極端に弱まった人間の演出が面白い。新聞にすら活字がなく、テレビ放送に扇動されている民衆の姿にはどの時代にもリンクするのだろう。そういった意味で古典SFとして鑑賞したものの、古さはなかった。


フライトユニットの映像表現は脇においても、モノレールが実物なのが凄い。
衣装とカット割に『謎の円盤UFO』の雰囲気を感じたが、特に関連性はなかった。
NHKの番組「100分de名著」で原作が紹介されていたので鑑賞。

監督がフランソワ・トリュフォーであるから期待していたが、なんかなー。
1966年公開当時は近未来であったのだろうけど、80年代も超えられていないのでは?と思ってしまった。

違和感を感じた部分をいくつかあげる。

◎シーンの多くが昼間
その当時の照明の限界かどうか分からないが、昼間のシーンが多すぎる。
せっかく本を燃やす世界のだから火が映える夜のシーンが多くてもよいのではと思った。
またクラリスと出会うシーンも月光に照らされる夜道であってほしかった。だってクラリスの名前はclarityからきているのを「100分de名著」で知ったから。

◎モンターグが本を読む動機
これが希薄だなと。原作読んでたから理解はできたけど、映画だけ観てたら分からないと思う。
モンターグが本を読む動機は妻リンダとの当たり障りのない生活への不満とそれをクラリスに幸せかと問われ、逡巡したから。しかしリンダと愛し合っているシーンが挿入されることでその不満が薄れている。リンダも睡眠薬を飲まないと眠れないほど精神不安であるという設定なんだけど、なんか元気だしそこも違和感。

他にもなんか消防局の資料は紙類が多いし、モンターグを探している空中偵察隊は雑だしなんかなー。

ただ原作になかったモノレールやクラリスが教師である設定、教育のシーンはなるほどと思った。しかしモノレールについては、瞬時に近未来を表現できてていいのだが、降りた場所が草花が生えている田舎で笑ってしまった。クラリスが教師の設定は、クラリスがモンターグを啓蒙する役割であることを見事に描いている。

本が内包する知識が破壊されている現在において観ておくべき作品ではあると思う。
154

154の感想・評価

3.6
2021/7/3

読書めっちゃする人ほど読書という行為をディスってることはままある。本を燃やすファイヤーマンの上司こそ、実はヘヴィーな読書家だったりするのかも。
かめ

かめの感想・評価

4.3
映画を見始めるきっかけとなった一本です。

あの古臭いSF感、当時の私にとっては一周回ってめちゃくちゃ近未来で新しかった。
50年前を生きていないので、セットのジェネレーション的なギャップの目新しさという意味も勿論あるけれど、パキッとした色使いや、なんだか違和感のある変な編集、、
今まで見てきた映画とはまったく違う、見たこともない表現の渦に引き込まれていき、映像表現・音楽表現の奥深さと面白さを初めて認識した映画でした。本が燃え盛るシーン、ラストの雪が降る湖のシーンになんであんなに心が動かされたのだろう。

当時は何も知らずに、好きだったレイブラッドベリの映画だからという事で鑑賞したけれど、
撮影がニコラス・ローグ、配給がATG、音楽がバーナードハーマン、そして監督はトリュフォーと今思えば私ホイホイな作品でした。

トリュフォーにとっては残念な結果に終わった作品なようですが、私にとっては、映画の世界が大きく広がるキッカケとなった大事な一本となりました。トリュフォーありがとう。
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