ゆっきー

福沢諭吉のゆっきーのレビュー・感想・評価

福沢諭吉(1991年製作の映画)
4.0
仙元さん追悼の為に見た。
傑作である。
「顔にホクロがある」というただ一点に置いて配役されたとしか思えない柴田恭兵であるが、教育者として最適の声質をしており魅せられた。が、あまりに人間味がないので後半イライラした笑

肝心の仙元カメラと言えば、有名な雨の中で榎木孝明が喚く超遠景クレーンショットなどなど見所満載で楽しめる。

榎木が室内で拳銃自殺するシーンで、彼は部屋の中で立ち尽くしている。この画面がかなり異様で印象に残るのだが、なぜ彼は立っているのか?
それは、「崩れ落ちるという運動の為」に他ならない。
この運動の為の逆算が素晴らしい。
裏を返せば、俳優に座らせたまま拳銃自殺を撮る作家は無能である。フランク・ダラボン『ショーシャンクの空に』などがそれである。

話を元に戻すと、この自殺シーンの蒼白い光、白い着物、赤い血のコントラストが美しかった。

あ、あとアメリカに留学に行ってからキチガイになって帰ってきた哀川翔に爆笑した。
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