ヘンダーソン

ラースと、その彼女のヘンダーソンのレビュー・感想・評価

ラースと、その彼女(2007年製作の映画)
2.5
観客の思考の柔軟性を問うてくるようなある意味実験的な作品。コメディ要素はない。

テーマの一つは、大人になるということについて。兄が答えているが、それは自分のためではなく他人のために正しいことを出来るようになること。
だから、兄夫婦には今にも子供が産まれそうだし、ラースの母親はラースを産むと同時に亡くなっている。

もう一つのテーマは、互いに愛し合うことは大切だけど、ではその対象は人間でないといけないのか。
ラースが人に触れられると物理的な痛みを感じるという設定はそういうことだろう。

この作品で監督がやりたかったことや伝えたかったことはわかる。
だけどあまりにシュール過ぎる。家族や街の人たちがラブドールのビアンカを受け入れるのは、百歩譲っていいとして、あまりに受け入れ過ぎ。ビアンカが病気になった際に町中から花が届くとか、葬式にみんなが参加するとか…。ビアンカの死でラースの成長を描いたのだろうけど。
ここまでシュールだとメッセージも伝わりにくくなるし、面白いではなくくだらないになってしまう。