菩薩

我が至上の愛 〜アストレとセラドン〜の菩薩のレビュー・感想・評価

3.5
アストレに浮気を疑われたセラドンが「もぅマヂ無理。。自殺しょ。。」となって入水するもスッケスケのオーガニックコットンワンピみたいのに身を包んだえちえちニンフに命を救われて無事生還したから俺も今すぐ玉川上水あたりにダイブしようかと思ったが、おそらく生還条件が「ただしイケメンに限る」だろうからそのまま下流まで流れ着くなと思って断念した。ロメール最後の長編は「愛とは…」についてのまどろっこしい問答で、セラドンがさっさとアストラの元に帰りゃ話は終わるのに、一応別れ際に「2度と姿を見せないで!」なんて言われちゃったもんだから拗ねちゃって森で引きこもり生活を始める。まぁこのある種の「誠実さ」って言うのが要するに=愛に近しい物なんじゃないかと、愛と言うより哀戦士な私は思う訳ですが、結局アストレのことを忘れられないセラドンは女装までして彼女に接近していく、って事で終盤のまさかの擬似百合展開に発展する。決して片乳以上は顕にならない抑制されたエロス、その反復される片乳が「愛は命を救う」を再現する。時代考証完全無視のバカバカしさもあるが、愛の伝道師たるエリック・ロメール有終の美として間抜けながらも愛おしいラストに確かな感触を得る。最後の最後まで顔面偏差値の高さが異常、このアストレはミラベルに匹敵する最高戦力。
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