エリック・ロメール監督の遺作…とっても愛おしい作品…。
5世紀、ローマ時代のフランス…緑が美しい田園風景を背景にユーモアとエロスを交えて紡ぎあげる恋愛喜劇…。
純愛を育んできた羊飼いの少女アストレと青年セラドン…ふとしたことからアストレはセラドンが浮気したと勘違い、彼を激しく拒絶します…。
« Regarde-toi bien de te faire jamais voir à moi!! Jamais!! »
私の前に2度と現れないで欲しい!! 永遠に!!
眉目秀麗なセラドン…しかし、うじうじとした焦ったさがもどかしい…。
ショックを受けた彼が取った行動は…川に身投げっს
しかし森に住むニンフ(精霊)に助けられ、一命を取り留めますが、彼の容姿に惚れ込んだマダム(ニンフの長)はセラドンを軟禁状態に…。
彼は鬱々とした日々を過ごしますが…侍女レオニードや僧侶アダマスの助けを借り、とんでもない手段でアストレと会うことに…。
物語はとても寓話的で非現実的…嘘っぽかったり、荒唐無稽…。
髭を薄くする薬やあの時代にペンダントの中の写真…そして金管楽器…胡散臭さのオンパレード…ただ、それらが堪らなく愛おしくてニヤニヤが止まりません…。
そして眩ゆい自然光の中の可憐な女性たちにうっとり…衣装や髪型、髪飾り…そんな彼女たちの肌や太ももが露わになったり…胸がはだけたり…。
フラゴナールの絵画のように蠱惑的なチラリズムがドキドキさせます…台詞も詩的に…まるで御伽噺の中に迷い込んだみたい…。
言葉の呪縛に苛まれ迷宮の森を彷徨うセラドンでしたが…ラストもニヤニヤさせられました…。
官能的な美しさを魅せつけながらも滑稽で愛おしい人々を描き続けた90歳手前のロメールお爺ちゃん…ෆ*
彼こそが…最高に愛おしい…❤︎*。