Tsu

飼育のTsuのレビュー・感想・評価

飼育(2011年製作の映画)
3.5
「どうして兵隊になったの?僕のお父さんも兵隊だよ。大人になったら何をしたらいいんだろう」
という少年の言葉が印象的でした。
大島渚版をまだ観てないけど、飼育といえば大島渚のイメージだったので
どーせ怖いんでしょと思って恐る恐る観たら、カンボジアの自然と文化にあふれた、少年の心を描く切ない反戦ストーリーでした。。

綺麗な思い出で終わるためには、大島渚版は見ないほうがいいかな。。



↓↓↓↓上映後、東京外語大学講師の方のTalk & Lecture 「『飼育』はどのようにカンボジアに翻案されたのか?」を引用、記録

太平洋戦争中の1972年、山奥の村が舞台。
街からも離れていて、同じ国民からも汚れていると思われているような場所。
アメリカ軍が南北ベトナムを爆撃するのに、
隣国のカンボジアやラオスにも危害が加わり、その時期を描いた作品

子供が主人公となり、墜落した飛行機から捕らえた黒人を見張り観察する中で人間らしさを見出しコミュニケーションを取っていくというストーリー。

1961年大島渚監督が映画化したものはリティ・パン監督は観てないそう
大島渚版、また原作は反対に大人が翻弄され、揉めている間に当然終戦になる虚しさを描いており、黒人は話すこともないのだけど、
リティ・パン監督版は互いの気もちを通じさせることにより、より反戦映画としての性格を強くしたと言える

ポル・ポト時代にカンボジアを追い出され大変な苦労をして映画監督になった監督
ドキュメンタリー映画を得意とする監督が、カンボジアで中流、上流ではない人たちの生活を丁寧に描いており、豚の捌き方、檻の作り方そこに住む人たちのアイデンティティが分かる
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