ひろ

阿賀に生きるのひろのレビュー・感想・評価

阿賀に生きる(1992年製作の映画)
4.3
水俣病の話だと思って見始めたが、これは映画名の通り、「阿賀に生きる」人々の話だった。
川にまつわる「川船頭」や「船大工」の人などが描かれることからも分かるが、水銀が流された「川」も主役だった。

川船頭の帆苅さんが、川に吹く風の説明をしている時、途中で帆苅さんを撮っていたカメラが左へパンする。この時、太陽側にカメラを向ける事になり、逆光のフレアが入りまくるのだが、これが妙に美しい。このカメラのパンが、川を吹き抜ける風を撮っているようで、逆光と相まって感動的なショットになっていた。
「耕運機が唯一の足代わり」というナレーションの後、長谷川さんが少し喋る時、頬杖をついた長谷川さんとすぐ後ろに座る奥様のショットがバチっとキマっていて最高。
元船大工・遠藤さんの仕事場を5年振りに開ける瞬間を、仕事場内にカメラを置いて、扉を開け始めると真っ暗な室内に光が入って来る瞬間がドラマチック。
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