回想シーンでご飯3杯いける

デーヴの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

デーヴ(1993年製作の映画)
3.6
田舎町の職安で働くデーヴは、大統領のそっくりさん。地元のイベントで、物真似芸を披露するようなローカル・ヒーローだった。そんな彼に、大統領補佐官から、「大統領の影武者にならないか?」と声が掛かる。

当初は一部危険を伴う公務のみの代役予定だったが、大統領が脳卒中で意識不明の重体になり、影武者のデーヴが大統領としての全公務を遂行していく事になる。

デーヴの一般市民ならではの発想、政策によりホワイトハウスが目まぐるしく変化していく様は痛快。大統領夫人との関係を中心に描いた進行は、小難しい政治劇ではなく、微笑ましいホームドラマのようなテイストで、見ている人の心を軽く明るくする。

そして、最大の見所は、影武者としての舞台の終焉。まだ見ていない人のために、敢えて詳しく書かないでおきますね。

この「デーヴ」では影武者のポジティヴな行動、効果を描いているわけだけど、もちろん、その逆もあり得るはず。文筆家やミュージシャンにも影武者=ゴーストライターが山ほどいるだろう。そんな影武者に溢れた世界だからこそ、影武者のポジティヴな神話を描いた「デーヴ」のような映画に、人は夢を託すのだろう。