むらた

ノートルダムの鐘のむらたのネタバレレビュー・内容・結末

ノートルダムの鐘(1996年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

2023年70本目

見た目で可哀想!ではなくカジモドの個性、他のよくいる男とは違う魅力だってところが良かった。昨今の障害者問題で障害者に「可哀想」と言う人が多いが、今作はその安全圏からの同情を真っ向から否定した作品で、いまの時代だからこそ見る作品である

結構重いし、同じく閉じ込められているラプンツェルと違うのがカジモドは自分が愛されていないって自覚しているところなのが暗いし恐ろしい。

歌がすごい。声優陣が劇団四季で構成されていて、ミュージカル色が他の作品より強めで好みは分かれるかもしれないがとても好き

フィーバスが最終的に選ばれた理由は決して見た目じゃなくて、中身だと思う。

好きな女の子を助けられる青年と、罪のない人間を助けるために燃え盛る家に飛び込める男。
どちらも純粋で綺麗な心を持っているのは間違いないが、閉鎖的空間で養われてしまったカジモドのネガティブさは所々に出ていて、何度も諦めてしまうカジモドよりフィーバスが選ばれるのは納得。この時代にジプシーだからと差別をしないフィーバスのが魅力的なのもわかる。

側から見たら外見で選ばれたと感じるが、本人たちの物語を見ると中身で選ばれたカップルであり、カジモドの見た目然り、外見、外側から物事を判断してはいけないと感じる

フロロー、カジモド、フィーバスがそれぞれエスメラルダに惚れた理由もこのテーマ性とマッチしていると感じた。 

フロローはエスメラルダの色気に
フィーバスはエスメラルダのたくましさに
カジモドはエスメラルダの優しさに

それぞれから見たエスメラルダの魅力があり、人の魅力は一面的なものではないのだと思った
むらた

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