シテール島への船出のakubiのレビュー・感想・評価

帰る場所などどこにもない。取り戻せない過去に手を伸ばしてもまだぬけだせない靄のなか。真っ暗な海のまんなかで漂う孤独を癒すすべなどないけれど、こころが疾うに死んでしまっていても、したためられ解き放たれた物語は、ゆっくりとでも語り継がれてゆく。ほら、海を越えてわたしたちにのところにも。これからも。
『むかしむかし、あるところに、.........』