Nacht

ヘカテのNachtのレビュー・感想・評価

ヘカテ(1982年製作の映画)
5.0
「ファム・ファタル」という言葉を知ったのがこの映画だった。
恋着なんてことも知らない高校生だったから「運命の人?」と全くピンとこなかったし、未熟だったから「なんでこんなオバハンのこと気になるん??」とも思っていた。

主演のローレンハットンは70年代のトップモデルでミューズであった。そんなことを知ったのも、もっともっとずっと後のことだったー。

1942年ベルン、フランス大使のジュリアン・ロシェルはパーティーにいる。ナチスの台頭を不気味に思う同僚の話は耳に入って来ない。
注がれたシャンパンの中に以前赴任したモロッコでの激しい恋愛を思い出す…

大使の主人公が出てくるが、大使が領事だった頃のお話。ファムファタルに惑わされた男の話、みたいな宣伝のされ方だったが、改めて見ると、惚れた弱みか、自分から疑心暗鬼になって自滅したパターン。
いかに仕事がない地方での領事とはいえ、
主人公の行動の乱痴気具合は謎でしたが…

オールモロッコロケの風景の中に居る主演二人が、もうとにかくお洒落!!
ローレン・ハットンのドレスはもちろん、
サファリルックやセーラールックも素敵…
ベルナール・ジロドーの衣装はジェラール・ペルノー期のディオールムッシュ、バッグ類はエルメスとヴィトンとのこと

「言葉はいつも遅すぎるか、早すぎるかね。」他、キザな台詞が沢山出てくるが、キマり過ぎていて文句が一つも出てこない。

「なんちゃんって」や「テヘペロ」で茶を濁すような輩には永遠に縁がなく、1ミリも理解ができない世界でしょう。
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