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逃がれの街のmitakosamaのレビュー・感想・評価

逃がれの街(1983年製作の映画)
3.6
スカパーにて。原作は北方謙三のハードボイルド小説だそうな。
昔の水谷豊はこういうヤサグレた役が似合ってたなぁ〜。

トラックの運ちゃんだったが、殺人事件の容疑者と親交があったため自身にも疑惑が及ぶ。嫌疑は晴れたけど会社に居られなくなったり散々。
付き合っていた女もアリバイ証明してくれなかったし、ヤクザとも出来ていた中々のビッチ。こりゃヤケにもなりますわ。

職場では元ボクサーの上司にボコられ。ヤクザの情夫にもボコられ。
細っちい水谷豊の腕っ節の弱さが凄い伝わる。

でも結局ヤクザは縺れ合って殺しちゃう。このヤクザ役が財津一郎なのだが、やっぱりちょっと笑っちゃう。この人はマジメに演じててもどっか可笑しいんだよね。
あと職場の後輩役に島田紳介。水谷を「兄貴〜」と慕う。ちょうど傷だらけの天使の逆だね。意識はしてたんだろうな。

冤罪で捕まえた刑事(夏木勲)が、悪かったと謝罪してくる。ココは今の目で見るとリアリズムが無いな。絶対に謝ったりしないよ(笑)

ヤクザを殺し報復に来たヤクザにも遂にやり返しちゃう。「お前等人を殺したことがあるのか?俺はあるぞ!」のセリフが熱い!腕っ節が強い訳じゃない主人公が、何かが吹っ切れてレベルアップするシーン。そして破滅の始まり。

孤児の少年と信州に旅立ち親族を捜してあげるが受け入れてもらえず。ここでも暴れて逃避行。雪山に追われる様はまるでファーゴみたい。

決してヒロイックじゃない、貧相な水谷豊だからこその迫力を感じるね。
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