アメリカで起こりがちな一昔前、司法の理不尽シリーズ。今回のMCはLAオフィサー。ターゲットはシングルマザークリスティン。
イーストウッドの実話ベースのストーリーはとにかく当事者の心情心理がノンフィクションとは思えないほどキャストに克明に落とし込まれている。今作でもクリスティン演じるアンジェリーナジョリーは完全にクリスティンでしかなかった。イーストウッドが作り上げた架空のシングルマザーと言われてもなんら疑問を抱かないほどだ。歴史に埋もれてしまいそうな、知っておくべきドラマ、事件を我々現代人がしる上でイーストウッドはきっと必要不可欠なのだ。
終盤のクリスティンの逆転裁判のシーンがかなり印象的だ。
前の心から協力してくれる仲間と大衆を味方に完全に勝利への道を歩むクリスティン。その現状とは裏腹に息子は帰ってこないのだと理解してしまうほどの余裕も生まれてしまう。無念を晴らしてもウォルターは帰ってこないのだという現実。
そのクリスティンの切ない表情と、次々に進んでいく裁判の演出がそれらの心情を完璧に描いており素晴らしい。
非常に面白かったです。